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インドが小麦の輸出を停止、さらなるインフレ圧力か
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●インドが小麦の輸出を停止
インド政府は14日、小麦の輸出の停止を決定したと、ロイター通信が報じた。
【こちらも】インドネシアがパーム油禁輸、さらなるインフレか?
報道によると、2022年は過去最高の1000万トン以上の輸出を計画していたが、国内価格の上昇が深刻となり、国民に配慮した形と言う。
4月にはインドネシアがパーム油の禁輸を決定したが、インドでも同じような現象が起きている。国内の価格上昇を抑えるために禁輸せざるを得なくなり、世界的な価格上昇をさらに招くことになる。
インドの決定が今後、どのような悪影響が考えられるのか?
●インドと小麦
インドは中国に次ぐ世界第2位の小麦生産国である。世界第2位の人口13.8億人(2020年)を誇るインドでは、多くが国内消費向けとなっている。
それでも、輸出量は世界の総輸出量の約4%を占める。
輸出はスリランカンなどの近隣諸国が中心であった。だがロシアによるウクライナ侵攻により、小麦出大国であった両国からの供給不安が起こり、アフリカ諸国などへの輸出拡大も検討していた。
ただしインド政府は、安全保障上必要とされる国への輸出は許可するとしている。
●インフレ圧力さらに強まるか
インドの小麦禁輸は、欧米への直接的な影響は小さいはずである。日本もインドからの小麦の輸入はほとんどない。
しかし、インドの禁輸決定以降、小麦価格は約5%上昇しており、影響は決して小さくない。日本のように小麦のほとんどを輸入に頼っている国にとっては、あらゆる物価上昇が懸念される。
インドは過去最高の輸出に前向きであったが、今年3月以降に熱波が到来。作物への影響も懸念されており、生産が減少すればさらなる混乱も予想される。
価格上昇は小麦などの穀物だけにとどまらず、原油などの資源や、サービス関連の価格にも広がる。新型コロナからの需要増という要因も複雑に関係している。
ウクライナ情勢が本格的に価格へ影響するのは10月以降と言われており、まだまだインフレ圧力は収まりそうにない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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