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巨額の集団訴訟に対抗、事業を新会社に移して計画破産 米J&J
ロイターなどの報道によると、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、自社のベビーパウダーのタルク内に含まれていたアスベストが原因で卵巣がんを発症したと主張する女性たちから訴訟を受けていた。この訴訟ではミズーリ州の最高裁判所が2020年6月、同社に21億2000万ドルの損害賠償の支払いを命じており、J&Jの控訴を棄却していたとされる。同社はこれ以外でもこのベビーパウダーに関連する訴訟を約3万8000件ほど抱えていた模様(ロイター、Bloomberg、Reuters)。
ロイターによると同社はその対策として、係争中の訴訟の責任を新設子会社に移転するという「プロジェクト・プラトン」を立ち上げ、その子会社を破産させることにより、訴訟に対する負債を回避する計画を持っていた。計画ではテキサス州法の抜け穴を利用してベビーパウダー訴訟関連すべての潜在的な責任を2021年10月に設立した新会社の LTL Management LLC(LTL)に移転、その後、LTLはすぐに破産を申請、これにより損害賠償の支払いを軽減しようとしているという(ロイター)。
NPRの記事によれば、最終的に裁判所がどのような判決を下すかは不明。ただ法律の専門家によれば、このジョンソン・エンド・ジョンソンのケースは、大規模な破産による解決のテストケースとして注目され研究されているという。この手法がJ&Jに有効であるならば、さらに多くの裕福な企業や個人が不正行為で訴訟を起こされた場合、破産裁判所を利用して訴訟を遅らせたり、永久に阻止したりできる可能性が高いことになる(NPR & Houston Public Media)。
一部家族は訴訟を継続する方針。しかしNPRの記事によれば、この訴訟は数か月から数年間、破産裁判所に留め置かれたままになる可能性が高いとされている。原告らが構成する委員会は、タルク訴訟を解決するために破産を利用することを認めるべきではないと主張している。
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