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日産、全固体電池の試作設備を初公開 2028年度の実用化目指す
日産が公開した試作生産設備(画像:日産自動車発表資料より)[写真拡大]
日産自動車は、2028年度の実用化を目指して全固体電池の研究開発を行なっているが、8日、積層ラミネートセルを試作生産する設備を初公開した。全固体電池は、電気自動車(EV)の普及を促進させるゲームチェンジャーとなる技術として、期待されている。
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電池は「固体が当たり前」と考える人もいるだろうが、EV車に現在主流として搭載されているリチウムイオンバッテリーは、電解質として有機電解液を使用しているため、電池内は液体である。この液体を固体にしたものが全固体電池であり、リチウムイオンバッテリーを超える次世代電池として注目を集めている。
電池内は主に、「電極」「電解質」「活物質」で構成されている。この中の電解質内をイオンが自由に動き回ることで電気を発生する。そのため、電解質はイオンが素早く動ける特性が必要となり、液体が使用されてきた。全固体電池は特殊な物質を使用することで、固体にもかかわらず電気が流れるようにした電池だ。
全固体電池は液体を使用しないため、液漏れに対する対策が不要だ。そのため容器に縛りがなくなり、形状に自由度が生まれる。薄くしたり多層化したりも可能で、折り曲げたりもできるほか、多少キズが付いても電池の性能を失うこともない。
密度もリチウムイオンバッテリーに比べて約2倍にできるため、重量が重いSUVなどに搭載する場合も電池を軽量化でき、航続距離を伸ばせる。様々な形状にできることから、コンパクトカーだけでなく軽自動車にも今までより大容量の電池を搭載できることから、軽自動車のEV化促進にもつながるだろう。
コスト削減への期待も高い。日産によると、2028年度には1KWhあたり75ドル、さらにその後は、ガソリン車と同等レベルの65ドルまで、コストが抑えられるポテンシャルがあるという。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)
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