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大学ファンドは第2のクジラになれるか?
●円安は大学ファンドの影響?
ドル円は一時、約5年ぶりに1ドル119円を突破し、円安が止まらない状況となっている。
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米国連邦準備理事会(FRB)が利上げを決定したことで、日米金利差の広がりも影響している。ウクライナ情勢では停戦交渉への期待感により、ドル買いに向かっているという見方もある。
つい最近までは有事の円買いと言われ、有事があると円高に進むことが多かったが、今回は円高に向かうそぶりもない。
今回の円安傾向は2月から顕著だが、その一因が、2月から開始された大学ファンドの運用によるものという指摘もある。
大学ファンドは、「クジラ」と呼ばれる年金積立運用独立法人(GPIF)に続き、「第2のクジラ」として期待さされているが、今後もマーケットで存在感を示すことができるのだろうか?
●大学ファンドとは?
大学ファンドは、2020年に政府主導で設立され、科学技術振興機構(JST)が2021年度内に運用を開始することになっていた。運用は4.5兆円からスタートし、早期に10兆円規模となる見通しである。
大学は資金力不足により、若手研究員へポストや給与を十分に用意できず、論文競争力も低下。結果的に日本の大学の国際競争力低下に繋がっているが、大学ファンドはそれに歯止めをかけることが目的だ。岸田政権の新しい資本主義の大きな目玉でもある。
●第2のクジラになれるのか?
今回の円安は様々な要素が絡んでおり、5兆円規模の大学ファンドがどれほど影響を与えたかは意見が分かれるが、存在感を示したことは間違いないだろう。
ただし、GPIFの運用資金が約200兆円に対し、大学ファンドの5兆円では、まだまだ規模が違いすぎる。
大学ファンドの運用益を大学に配分する仕組みだが、支援のための運用益は最低3%、物価上昇率を加えて、4.38%を目標としている。
運用であるので、コンスタントに利率を稼げるという保証はない。長期的な安定運用を求められるため、高配当株が組み入れられる可能性が高いとも言われている。
GPIF同様に公的資金を運用する批判はあるだろうが、日本株の下支えとなる期待は大きいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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