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EVと駐車事情
自動車も犬も、引き取られた先で、待遇には雲泥の差が生ずる。
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冬場でも、屋外のミカン箱で作った隙間だらけの犬小屋で、残飯を貰う生活もあれば、年中空調が効いた室内で、高価なペットフードを与えられるセレブな生活もある。
勿論、粗末な犬小屋で飼われている犬種は「血統書付きの高額な希少種」ではないはずだ。
車の場合でも、一般的には団地やマンションの居住者が車を保有する場合は、平置きの駐車か、機械式の2段積みの駐車が多いのではないだろうか。その場合には高額車種とかは、極めて少ないのは容易に想像出来る。
月極の青空駐車場でフェラーリとかを見かけることは皆無に近いはずだ。
●いろいろな駐車状況
車の場合、豪邸訪問とかで見かける様な、居住空間と繋がったスペースに、何台かの高額な車が並ぶ環境もあれば、シャッターを閉めれば個室空間となる「ガレージ」もある。
一般的な一戸建ての住宅の、庭や建物横のカーポート。マンション等に見られる、2段積の駐車装置や、舗装した地面にスペース区画の線が引かれただけの青空駐車。そして、車を乗せたパレットが順に回るタイプのタワーパーキング。
この段階で、「タワーマンションの高層階をキャッシュで購入可能」な程の預金残高を持っていたにしても、イタリアンスーパーカーの様な高額車を購入出来るのは、「建物横にカーポート」程度の駐車場ではなく、せめて門扉の中に車が置けなければ、いたずらや盗難から守れないだろう。
また、常時駐めて置く所に充電機器設置が出来る、「きちんとした車庫」が確保出来ない人は、筆者が批判的なEV車を保有することが、困難であることがはっきりするだろう。
●車両寸法の制約
保管場所としての駐車場以外にも、買い物で街に出かけたり、出張で地方都市のビジネスホテル等を利用した際の駐車設備にも、車両寸法や重量による制限がある。
昔は「5ナンバー」と「3ナンバー」には大きな壁があった。簡単に説明しておくと、「5ナンバー」は「小型乗用車」で全長×全幅×全高が4.7m×1.7m×2.0m以内で、ガソリンエンジンは排気量が2,000cc以下。この枠を超えれば「3ナンバー」の「普通乗用車」となった。
当時の自動車税は、小型枠を超えると極端に高くなった。
ボルボが、ドアハンドルが飛び出している為に「3ナンバー」になり、それだけのことで税金が極端に高くなるので、メーカーに訴えてドアハンドルを埋め込み式に変更して「5ナンバー」サイズに収めた結果、このドアハンドルが安全性の面でも有利だとして、世界的に全車に展開したケースもあった。
古い自走式駐車場では、当時の「小型車(全幅1700mm×全長4700mm)」主流の時代のサイズ設計で、スロープのカーブ等、非常に窮屈な所も見かける。よく、カーブの壁面に擦った跡が付いているのを、見かけるだろう。
●立体駐車場の制約
都会地では、立体駐車場が多いが、立体駐車場の規格では、昔の5ナンバーサイズに準拠している場合が多い。その場合、収納可能な車両が一番小さなサイズのものは、全高の許容サイズが1550mmまでだ。
いずれにしても、特に全高が1550mmを上回っていると、都心部に乗り入れても、駐車場が制約され、駐車場探しに余計な時間がかかってしまう(写真3参考)。
ミニ・クロスオーバーは、先代モデルは全高が1550mmだったので入庫OKの立体駐車場が、モデルチェンジでルーフレールが高くなって、全高が1595mmとなったので入庫不可となった。プリウスも「プリウスα」だと1575mmで同じくNGだ。
最近の軽自動車も、1550mmをオーバーする車種が珍しくないから、注意が必要だ。自宅の車庫の状況次第で、所有出来る車種も限定されてくる。
●EV充電可能駐車場
従来は、知人や親類が車で来訪した場合でも、普通に自宅のスペースに駐めるなり、近隣の有料駐車場を利用するだけだった。
しかし、友人がEV車(BEV)を保有していて、その車で遊びに来た場合、帰路のバッテリー残量にまで気をつかってあげる必要がある。
「EV充電可能駐車場」で検索すれば、件数は少ないがヒットする。EV車ユーザーの友人がやって来る場合には、事前に見つけて置いてあげるのが親切だろう。但し、その駐車場が満車でない保証はない。
勿論、事前にEV車を買おうとしているのが判っていたら、「せめてPHVにしろ」とアドバイスするだろう。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る)
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