ユーロ週間見通し:弱含みか、エネルギー価格高止まりの影響残る

2022年3月12日 14:34

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記事提供元:フィスコ


*14:34JST ユーロ週間見通し:弱含みか、エネルギー価格高止まりの影響残る
■弱含み、ウクライナ停戦期待後退でユーロ買い縮小

今週のユーロ・ドルは弱含み。ロシアのウクライナ攻撃継続を懸念して、ユーロ売りが先行。その後、欧州連合(EU)がエネルギーや防衛向け資金調達で大規模な債券共同発行を計画と報じられたこと、年内利上げの可能性も排除しなかったことからユーロ買いになった。ただ、ロシアとウクライナの停戦に向けた協議は難航しており、週末前にリスク回避的なユーロ売りが再び優勢となった。
・取引レンジ:1.0806ドル-1.1121ドル

■伸び悩みか、米利上げ予想でユーロ売り継続も

来週のユーロ・ドルは伸び悩みか。欧州中央銀行(ECB)は資産買入れ規模を段階的に縮小し、量的緩和を終了する姿勢を強めている。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は0.25ポイントの利上げを実施するとみられており、金利差拡大を意識したドル買いが強まりそうだ。ウクライナ情勢に関しても、すみやかな停戦は困難とみられ、域内経済への影響を懸念したユーロ売りは継続する可能性がある。

予想レンジ:1.0800ドル−1.1000ドル

■軟調推移、ウクライナ情勢悪化でリスク回避のユーロ売り

今週のユーロ・円は反発。欧米のロシア産原油禁輸検討による原油高騰でインフレ・景気への懸念も高まって世界的に株安が広がり、ユーロ売り・円買いが先行。欧州中央銀行(ECB)が想定より早く量的緩和を終了する計画を発表したことから、ユーロ買いが活発となった。ロシアとウクライナの停戦に向けた協議は難航しているものの、週後半に米ドル・円相場が円安方向に振れたことから、リスク回避的なユーロ売り・円買いは拡大しなかった。取引レンジ:124円40銭−129円04銭。

■弱含みか、エネルギー価格高止まりの影響残る

来週のユーロ・円は弱含みか。欧州中央銀行(ECB)は、資産買入れ縮小により緩和政策を転換する方針を改めて示したが、ロシアとウクライナの停戦交渉に不透明感が広がるなか、エネルギー価格の高止まりを受け域内経済への影響が引き続き懸念されている。ウクライナ情勢のすみやかな改善が見込めない場合、リスク回避的なユーロ売り・円買いが再び強まる可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・15日:1月鉱工業生産(12月:前月比+1.2%)

予想レンジ:126円00銭−129円00銭《FA》

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