識学、3~11月期は大幅増益 通期は最高業績予想も営業利益は低進捗

2021年12月31日 12:14

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■売上高は65.6%増、営業利益は657.7%増

 組織コンサルティングサービスを提供する識学(7049)は30日、22年2月期第3四半期累計(21年3月〜21年11月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比65.6%増の28億800万円、営業利益は同657.7%増の2億7700万円、経常利益は同134.1%増の2億6300万円、純利益は1億4100万円(前年同期は7900万円の赤字)だった。

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 財務面では、自己資本比率が前期末の37.5%より15.6ポイント増の53.1%に伸ばしており、健全性も向上。業績予想と比較した進捗率は、売上高は73.9%、営業利益は69.3%、純利益は92.2%となっており、売上高・営業利益がやや遅れている印象を受ける。

■主力事業は好調も、スポーツ事業でやや足踏み

 人の思考に基づいた組織マネジメントコンサルを手がけている識学。大企業からスポーツチームまで幅広い「組織」に向けた研修サービスを展開し、21年2月期で668の組織を顧客に抱えるなど着実な成長を遂げている。今期に関しても主力である組織コンサルティングセグメントでは、対前年比で売上高は54.9%増、営業利益も312.8%増と好調に推移。

 また、IPO等を目指すベンチャー企業への投資や助言を行なうVCファンドハンズオン支援セグメントでは、投資先の株式売却による利益が出ており、こちらも順調な模様。一方で、スポーツエンタテインメントセグメントでは1億3500万円の赤字を計上している。こちらでは、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」2部の福島ファイヤーボンズの運営を行なっている。

 福島ファイヤーボンズは、20年4月に識学の子会社となり、念願のB1リーグ昇格に向け活動中。だが今のところ昇格には至っておらず、チーム運営費等のコストが発生しており大きな赤字を計上することになっている。チーム運営は長期的な目線で考えており、主力事業での収益を活かしながらの投資事業となっている模様。

■24年2月期に売上63億円、営業利益15億円を目標

 識学としては更なる成長を目指して中期経営計画を策定している。主力である組織コンサルティング事業を更に伸ばすことを前提に、既存の成長事業や新規事業開始による事業柱の強化を図ることで、24年2月期までに売上高63億円、営業利益15億円を目指す。

 昨今組織マネジメントに苦慮している企業が多い中、様々な組織で培ったノウハウを享受できる識学メソッドには、大企業を中心に注目が集まっている。目標達成には、このチャンスを活かせるかがカギとなりそうだ。(記事:拓蔵・記事一覧を見る

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