編み物動画めぐるYouTuber同士の裁判、虚偽の著作権侵害として賠償命令

2021年12月23日 18:00

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 YouTubeに編み物の動画2本を投稿していた女性が、他の編み物YouTuberらから著作権侵害の通報があり動画が削除され、その後に虚偽の著作権侵害通報で精神的苦痛を負ったとして計118万円の損害賠償を求めた裁判があったのだが、京都地裁は21日、原告の訴えを認め7万円の賠償を命じる判決を下した(京都新聞, NHK, 訴訟を追っていたblogの記事)。

報道によれば、原告は「編み物には著作権が認められたことはない」として原告側がYouTubeの制度を悪用したと主張。被告側は「著作権について十分検討した」などと反論していた。判決では原告の主張を全面的に認める形で
「アイデア自体は、著作権法による保護の対象となるものではない。著作権侵害の通知をする際には侵害の有無について一定の確認をしたうえで行うべきだ。被告が独自の見解にもとづいて安易に侵害の通知をしていたことを考慮すると、原告は精神的苦痛や損害を受けたと認めるのが相当だ」
と指摘した。

賠償金額が少ない気がするが、この手の訴訟で全額が認められることはほとんど無いという事なので、原告側の全面勝訴に当たるようだ。原告側弁護士は判決に対して「きちんと著作権侵害について調べずに通知すれば違法になりうると判断された。安直な通報をなくすことにつながるという点で社会的意義がある」と語っているという。

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