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「著名な漫画家が興した:まんだらけ」の新たな成長の牽引役はEC
著名な漫画家だった人物が実業家に転じ、上場を果たしたケースを今回初めて知った。まんだらけ(東証2部)。現取締役会長の古川益三氏がその人物である。
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1970年代終盤から80年代に『ガロ』というマンガ雑誌があった(ことは記録している)。ガロ連載者の中軸3人衆の1人と目されたのが古川氏。そんな古川氏が1980年(昭和55年)に開店した古漫画屋が、まんだらけの原点となった。
まんだらけは、漫画古書の仕入れ・販売最大手。アニメ原画や関連玩具も手掛けている。独自の鑑定・値つけで斯界の影響力が大きい。まんだらけにそもそも着目したのは、前2021年9月期の収益急回復。そして詳細は後述するが、「EC」の積極的な導入という事実だった。
前9月期は期中の上方修正で、「6.7%の増収(20年9月期は10.3%の減収)、133.4%の営業増益(71.1%減益)」。そして今期も「0.4%増収(96億6700万円)、0.8%営業増益(6億500万円)」と、着実増計画でスタートした。前期をこんな風に説明している。
★コロナ禍は将来の消費者の不安につながり、生活防衛意識が高まり中古品の需要は強まった。だが来店機会の減少はマイナス要因となった。
★対して「まんだらけSAHRA」を中心とするWeb通信販売が売上の堅持に貢献した。希少な商品を出品し続けることで、隔月開催のオークションは世界中からの顧客に参加してもらった。
結果、6.7%の増収、133.4%の営業増益となった。
ところでまんだらけでは、販売商品に関し「原則、返却不可」としている。買い取りに関して余程の自信がある証左といえるが、具体的にどんな枠組みで買い取り・売却と取り組んでいるのか。こう説明した。
「独自のPOSシステムがポイントと認識している。蓄積されたデータを用いて仕入れから販売、保管状況を一貫して把握し、需要動向や在庫状況に応じ迅速な価値判断を基に仕入れの安全性・拡充を図っている」。
今期は前記の通り、売上・利益とも「小幅増」計画だが、市場をどう捉えているのか。「コロナウイルス感染症に対し、依然として払拭しきれず先行き不透明感は残る。対してワクチン接種の浸透⇔行動制限の緩和が見え始め、景気の回復期待もある・・・通信販売は堅調に推移するなど、今後の経済成長に道筋が見えてくるものと捉えている」。
こと「総売上高の約5割」と推定されるECについては、「新商品の発掘と市場開拓のために、取扱商品を間近に見てもらうためには新規出店は不可欠。が、来店が難しい顧客や海外顧客への対応に、ECやオークションの拡充も重要な課題」としている。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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