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小惑星の衝突から地球守る実験ロケット「DART」、11月24日打ち上げ NASA
”DART(Double Asteroid Redirection Test:ダート)とは、ウィキペディアによれば、「アメリカ航空宇宙局(NASA)によって計画されている、小惑星が地球に衝突するリスクに備え、宇宙機を衝突させて小惑星の軌道変更を実験するミッション」である。
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NASAは普段から、地球に衝突する危険性がある小惑星の存在とその軌道を常に把握し、動向を監視している。だがそれだけでは、小惑星地球襲来の警鐘を鳴らすことはできても、小惑星衝突回避には何ら役立たない。
そこで計画されたのがDARTである。11月24日に打ち上げられるのは、直径780mの小惑星ディディモスを周回する、直径160mの小惑星ディモーフォスをターゲットにしたロケットだ。2022年10月に衝突させる計画となっている。
2022年10月の時点では、ディモーフォスと地球の距離は約1,100万kmあり、地球衝突の懸念があるわけではない。この実験では、ディモーフォスの軌道をどの程度変化させることができるのか、地球から直接観測を行なう。万が一小惑星の地球衝突危機が訪れた場合を想定して、様々なデータ収集が行なえるのではないかとの期待がかけられている。
NASAの惑星防衛調整室は、直径が140mを超える小惑星を人類に脅威をもたらす存在であるとし、最も注意を払っている。この規模の小惑星が地球に衝突すれば、現存するごく標準的な規模の核爆弾の何倍もの破壊力を持つと考えられている。地球近傍の宇宙空間には、約1万個も存在しているという。
DARTからの信号は、打ち上げ直後からESA(欧州宇宙機関)所有のオーストラリアにあるパラボラアンテナによって受信され、監視が続けられる予定となっている。また2022年10月には時速約24,000kmでディモーフォスに衝突し、その軌道をわずかに変化させる予定だが、衝突10日前からの映像もESAとイタリア宇宙機関(ASI)の連携により、ストリーミング配信される。
今から約1年後にはこの壮大な宇宙実験動画を目にすることができるであろう。それはSF映画の世界の話ではなく、実験とはいえ宇宙で人類が起こした本物の物語なのである。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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