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沖縄スーパー最大手:連続増配サンエーは中間期の失速から立ち直れるのか!?
サンエー(東証1部)は、沖縄県の流通業最大手。スーパーを中軸に商業施設・飲食店・ホテル、更にはコンビニ(ローソン)やドラッグストア(マツモトキヨシ)なども資本業務などで展開している。祖業は故折田喜作氏による「オリタ商店(雑貨店)」。沖縄返還から2年前の1970年に法人(サンエー)として設立されている。
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周知の通り沖縄経済も、コロナウイルス禍の影響を大きく受けた。前2月期は1.7%の増収も「13.9%の営業減益」。設立50周年記念配2円を乗せ55円配。「実質18年連続増配」。今期の配当に関しても四季報・秋号は「55円~57円」と、連続増配に含みを持たせている。
背景には豊富な内部留保(1200億円強、対有利子負債300倍強)が指摘できる。が、株価はやはり足元の収益動向に、まずは立ち位置を決める。本稿作成中のIFIS目標平均株価は「割安」のメッセージ付き5200円。対して時価は4000円台入り口水準。
そんなサンエーの前期は、小売り(スーパー)事業は外出自粛⇔食料品需要増で2.4%の増収(1956億6600万円)も7.9%の営業減益(82億3400万円)。コンビニエンス・外食店事業が足を引っ張った。13.7%減収(71億3000万円)、49.2%の営業減益(9億1300万円)。
対して今期は「2022年2月まではコロナ禍の影響は引きずる」としながらも、「2.6%増収(2080億円2200万円)、14.5%営業増益(104億7400万円)」計画。第1四半期は前年同期比「4.5%の増収、14.5%の営業増益」とまずまずの出足を示したが、第2四半期は失速気味。「0.1%減収、12.0%営業減益」。
既存店売上高の推移にも、表れている。3-5月期は「100.1%、105.3%、101.3%」と前年同期を上回って推移してきたが、6-8月期は「89.8%、98.1%、95.9%」と低迷。ただ中間期開示時点で、通期見通しは「変わらず」。緊急事態宣言解除がこの後、どう影響してくるかを見守らなくてはならない。
だがサンエーからは、「小売り事業でワンランクアップの商品や県産品、PB商品(くらしモア、ローソンセレクト)に一層の注力を図っていく」とする声しか聴かれてこない。
ちなみに沖縄の名門企業は、県民に優しい。創業者が創設した「折田財団」は、大学進学等に向けて奨学金制度を実施している。例年45名近い若者の勉学をフォローしている。
経済再生⇒通期計画達成⇔増配継続を期待しつつ見守りたい。要は、既存店売上高の今後の動向が示してくれよう。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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