18期連続増配予想企業:栗田工業も足元は慎重、転機は半導体状況!?

2021年11月16日 08:26

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 半導体不足が「自動車生産減の元凶」「偽物まで出現」といった具合に、深刻に伝えられている。私も企業・産業欄で「不足は買い」の視点から、「半導体製造関連企業」の記事をいくつか書いた。そんないま、フッと思いついた。「半導体が生産回復状態」となった時、重視される企業・商品はなにか?と・・・

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 液晶然り、半導体然り。製造工程では金属材料などを加熱し基板上に付着させることが不可欠。その際に製品だけでなく製造装置にも気化させた材料が付着し、安定的な製品に支障をもたらす可能性が高い。付着物を取り除くためには、超純水・超音波などによる仕上げの精密洗浄が必要になる。

 超純水では、栗田工業(東証1部)が知られた存在。栗田工業の前3月期「1.1%増収、14.7%営業増益」、今2022年3月期計画「3.1%増収(2760億円)、1.5%営業増益(320億円)」を確認し、その思いを一層強くした。

 超優良企業の冠がふさわしい(今期計画を含め18期連続増配)栗田にして前期をこう総括し、今期についてこんな見通しを立てている。

 「前期:水処理装置事業:一般産業向けや土壌浄化分野では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で時期延期から受注・売上高とも減少。電子産業向けが年度後半の需要回復基調や海外企業の新規連結化から全体として8.9%増収、12.9%営業増益を実現しえた」―コロナ禍による逸失収益・利益の存在を窺わせた。

 「前期:水処理薬品事業:新型コロナウイルス感染拡大で経済活動が停滞したことから、顧客の工場稼働率低下で受注・売上高とも減少した。海外では円高が進んだことが影響し、海外子会社の円換算額の目減りでやはり受注・売上高は減少。結果、売上高は9.2%減。売上原価率改善や経費削減で営業利益は16.7%増」―コスト削減など構造改革効果で利益を絞り出した。優良企業ならでは、を見せつけた。

 「今期:世界経済も日本経済も、新型コロナウイルスの収束時期は不確実性が高い。全体的な回復の推移は緩やかと、予想せざるをえない。そうした立ち位置から、今期を予想している。そうした前提から乖離した場合、業績見通しの修正を余儀なくされる可能性もある」―と、改めて今期を慎重に捉えている。

 ちなみに「下期から経済回復」の前提は、中間期段階の収益予想「2.3%の減収(1280億円)、18%の営業減益に(135億円)」に反映されたかっこう。中間期予想に対する第1四半期の実績進捗率は、売上高:49%強も「営業利益は約43%」にとどまっている。時価に対しIFIS目標平均株価は6%余上値。株価的にも様子見感が窺える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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