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EV車普及のカギとなる「中古EV車市場」活性化 そのために必要なことは?
ゼロエミッションに移行するため、自動車メーカー各社はEV車開発に力を注いでいる。EV車の普及には、車両価格のダウンや充電ステーションの拡充のほかに、中古車市場での明確な評価も必要で、中でも駆動用バッテリーに対する新たな基準が必要だ。
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現在のEV車に搭載されるバッテリーでは、経年数に応じた劣化が避けられず、EV車は中古車市場において、ガソリン車以上に価格が下がっている。これは、EV車の走行距離や使用年数により、新車時より航続距離が短くなるなど、バッテリー性能劣化が原因だ。
ガソリン車も経年劣化により、パワーダウンや燃費悪化などの性能ダウンは見られる。だがこれらの状況は、オイル交換やエアーエレメント、プラグ交換といったメンテナンスで改善できる場合がある。故障していれば、専門工場で修理して新車に近い状態まで復活できるかもしれない。
だがEV車の場合、駆動用バッテリーの寿命が来れば交換しなければ復活しない。もちろん駆動用バッテリーを交換すれば、新車当時の走行性能を取り戻せるが、スマートフォンのように、安価で簡単に交換できる代物ではない。しかもスマートフォンなら、型が古ければ交換費用も安価で済ませられるが、EV車はそうはいかない。
EV車の駆動用バッテリーは、一般にメーカー純正品に交換されるが、交換費用は数十万円と高価であることを知っているユーザーも多いだろう。それはリチウムイオンバッテリーの材料となるコバルトなどのレアメタルが、価格を引き上げているからだ。
この価格を下げるため、自動車メーカーでは独自にバッテリーを開発し、コストダウンへの取り組みが始まっている。だからといって、中古EV車市場ですぐに価格が安定方向に向かうとは考えにくい。
消費者は、EV車の買取価格が低い理由が、バッテリーの劣化にあることを認識しているものの、バッテリーの減価償却は概算でしかわからない。つまり、中古EV車がガソリン車のように正確に評価がされていないため、EV車の査定は高くならない。
もしEV車を所有したときに、バッテリーの減価償却がわかるようになれば、EV車の資産価値は明確になる。結果、中古EV車市場は大きく活性化され、EV車はもっと普及するようになるだろう。
そのためにはバッテリーごとに、交換基準や劣化度合などの基準を設けて数値化し、中古車査定基準に盛り込むことが必要だろう。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)
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