テスラ株の快進撃、まだまだ続くか?

2021年10月27日 16:55

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●テスラ株が過去最高値

 米国電気自動車大手・テスラ社の株価が26日に1000ドルを超え、過去最高値を記録し、時価総額も1兆ドル(約114億円)を突破した。

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 第3四半期の売上高が過去最高だったことや、米レンタカー大手のハーツがテスラからEV10万台を購入する計画を発表したことなど、好材料が続いたことが株価を押し上げたと見られる。

 自動車メーカー全体の売上が好調な中、テスラは昨年からのコロナ禍で株価が急上昇しているが、死角はないのだろうか?

●テスラの1年半

 テスラは2010年の上場以来、期待先行型と言われ続けてきた。積極的な経営手法は度々批判され、過剰投資による経営不安説が囁かれることもあった。

 2020年のコロナショック以降、感染拡大により販売台数が落ち込み、工場が閉鎖に見舞われるなどの苦境に見舞われながらも、世界的なEVシフトや過剰流動性相場などが追い風となり、株価は上昇を続けてきた。

 時価総額でトヨタを抜き、CEOのイーロン・マスク氏が世界長者番付で一時1位になるなど、コロナ相場の主役と言ってもいい。

●まだまだ上昇は続くのか?

 世界中で半導体不足が続き、供給面での不安がある中でも、テスラはコントローラを19用意するなど、常識を覆す発想で乗り切っている。テキサスの新工場がうまく軌道に乗れば、さらに生産台数を増やせるだろう。

 資本提携を結んでいるパナソニックが、テスラ向けに開発を進めてきた新型車載用筒形電池「4680」の実用化にめどがついたことも発表され、さらに進歩は続く。

 今のところ、好材料しか見当たらず、テスラの成長は止まらないだろう。

 ただ、PER約1376倍・PBR約44倍(10月26日時点)は明らかに高すぎる。マスク氏が2020年5月に自社の株価が高すぎるとツイートして急落したが、今後もふとしたきっかけで急落する局面があるかもしれない。

 会社としての実力が期待に追いつきつつあるが、テーパリング議論や利上げへの言及があった時に売られやすくなることもあるため、これからの投資は慎重さが求められる。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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