教育産業市場、2020年度は2.7%減 コロナ禍影響 21年度は回復 矢野経調べ

2021年10月16日 07:59

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2020年度はマイナス成長となったが、2021年度は回復の見込み(画像は矢野経済研究所の発表資料より)

2020年度はマイナス成長となったが、2021年度は回復の見込み(画像は矢野経済研究所の発表資料より)[写真拡大]

 矢野経済研究所(東京都中野区)は14日、2020年度の教育産業市場が、前年度比2.7%減の2兆6997億円になったとの調査結果を発表した。これまで緩やかな拡大傾向にあったが、コロナ禍の影響で教育市場もマイナス成長に転じた。ただし2021年度は回復見込みとの予測だ。

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 少子化が進み教育の受け手側が減少する中でも、未就学児向けや学生向けの教育関連サービスは底堅い需要を維持しており、ここ数年は市場規模が微増を続けていた。だが、新型コロナウイルスによって状況は一変。教育産業に携わる企業の多くが打撃を受け、主要15分野も成長鈍化やマイナス成長に陥るケースが散見された。

 この内、例外で前年から市場が拡大したのは「幼児向け英会話教材」「幼児向け通信教育」「社会人向け通信教育」「学生向け通信教育」「eラーニング」「学習参考書・問題集市場」の合計6分野。接触しなくていい、非集合・非対面型の教育サービスの需要が伸びた。

 教育産業全体は2020年度に苦戦を強いられたものの、現在は既に、コロナ禍対応型の体制が各市場で定着しつつあるため、回復傾向が見られる。2021年度の市場予測は、前年度比5%増の2兆8333億円になる見通しだ。

 対面・集合型の教育サービスの中で最大市場規模の予備校・学習塾も、休校措置などの制限を受けることもなく、生徒数が順調に増えており回復の途上にある。

 尚、教育サービス事業者は生徒数を継続的に安定して確保し、収益力を引き上げることが共通の課題となっている。今後はさらに業務提携やM&Aが進み、事業成長を目指す企業が増えると見られる。

 調査は、「学習塾・予備校」「家庭教師派遣・通信教育」「幼児向け通信教育」「学生向け通信教育」「社会人向け通信教育」「幼児向け英会話教材」「資格取得学校」「資格・検定試験」「語学スクール・教室」「幼児受験教育」「知育主体型教育」「幼児体育指導」「企業向け研修サービス」「eラーニング」「学習参考書・問題集」の15分野対象に、事業者売上高ベースで行なわれた。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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