障がいはテクノロジーで補完される時代に。障がい者をサポートする役割は、施設内から社会全体へ広がっていく(連載2回目)

2021年10月11日 11:48

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記事提供元:biblion

 (連載2回目)障がいのある方がより自分らしく、豊かな人生を描ける社会を目指し、「障がいのある方にまつわる情報プラットフォームの提供」を展開する、株式会社Lean on Me。障がい者支援に必要な知識を学べるeラーニングサービスなど、現場の課題を解決するための取り組みを進められています。本記事では、代表の志村さんに、事業への思いや今後の展望についてインタビューした内容をまとめています。

障がいはテクノロジーで補完される時代に。障がい者をサポートする役割は、施設内から社会全体へ広がっていく(連載2回目)

株式会社Lean on Me

株式会社Lean on MeLean on Meは、障がいのある方とその家族が将来のライフプランについて希望を持ち見通しを立てられる社会をつくるために生まれた会社です。私たちは、障がいのある方の視点に立ち、その支援者の視点に立ち、障がいのある方を取り巻く社会の視点に立ちます。

この記事の話し手:株式会社Lean on Me 代表取締役 志村 駿介

この記事の話し手:株式会社Lean on Me 代表取締役 志村 駿介1990年3月2日 生まれ。大阪府高槻市出身。ダウン症の弟を持ち、障がいのある人と自然と共生する環境で過ごす一方で、一般社会の「障がい」との向き合い方に課題を感じ、真のノーマライゼーションの実現を志し、2014年に株式会社Lean on Meを設立。障がい福祉業界でBtoB SaaS事業を展開。

情報プラットフォームで障がい者支援の現場を支える

 本記事は、障がいのある方がより自分らしく、豊かな人生を描ける社会を目指し、「障がいのある方にまつわる情報プラットフォームの提供」を展開する株式会社Lean on Me 代表取締役の志村 駿介さんお話を聞き、まとめています。

 前回の記事では、障がい者支援の現場において、職員の教育体制が整っていないという課題についてお伝えしました。
 職員の教育体制が整っていないことによって、現場で適切な支援が行われず、障がい者への虐待ともいえる対応がされてしまうこともあります。

 そこでLean on Meさんでは、「Special Learning」というeラーニングシステムを開発・提供し、職員に正しい知識とスキルを身に付けてもらうための取り組みを進めてこられました。

 本記事では、Lean on Me 代表の志村さんが考える、これからの障がい者支援のあり方についてお聞きした内容をまとめています。

オンライン研修サービス「Special Learning」とは

 「Special Learning」とは、主に障害者施設の職員の研修を目的とした、オンライン研修サービスです。
 障がいに関する正しい知識や、適切な支援方法を動画で学ぶことができます。

 一般的なeラーニングが約60分〜90分なのに対し、Special Learningは3分程度の短い動画を500以上揃えています。
 職員の皆さんや管理職の皆さんが、日常の業務や支援現場で躓いたときやふとしたスキマ時間に、自分にとって必要なタイトルを選んで視聴するだけで課題を乗り越えていけるサポートツールです。

障がいのある方への挨拶について(サンプル)

 via www.youtube.com

進化を続けるテクノロジーと、その先にあるべき障がい者支援

 ー「Special Learning」によって、障がい者支援のあり方をどのように進化させていきたいと考えていますか。

 現在取り組んでいる「Special Learning」によって、まずは障がい者施設で働く多くの方に、正しい知識やスキルを身に付けていただきたいと思っています。

 ただし、これからの障がい者支援を考える上で、施設職員が正しい知識やスキルを身に付けることは、あくまでスタートラインだと考えています。

 この先テクノロジーが進化していくことで、障がいによる生きづらさが補完される時代になると考えています。
 この考え方を、「インクルーシブ」と「テクノロジー」をかけ合わせて「インクルTech(インクルテック)」という言葉で表現しています。

 身体障がいのある方が利用する義足や義手の技術は、どんどん進化していますよね。
 このようなテクノロジーによる障がいの補完は、知的障がいの領域にも波及していくと考えています。
 例えば、知的障がいのある方で、1人で街中を歩くと車道に飛び出してしまう恐れがある場合には、現在はヘルパーが2人付き添って対応しています。
 でももし、車道に出てしまいそうになった時に危険を察知して伝えられるようなシステムが開発されたら、この方は1人で街を歩くことができるようになるでしょう。

 「障がい者にやさしい街づくり」というのが Lean on Me のビジョンであり、創業当初から変わっていません。

 私たちが目指しているのは、障がいのある方も一般の方と同じように、街中でショッピングをしたり、レストランで食事をしたりすることができる環境を整えることです。

 この「Special Learning」にまとめられているような知識・スキルを、障害者支援の施設の中だけでなく、社会の様々な場所で活用してもらえるような未来にしていきたいと考えています。

 職業も、働き方も、障がい者にとって人生の選択肢をもっともっと増やしたい。
 全ての人が活躍できる社会にするための土台作りが、「Special Learning」の役割だと考えています。
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 ーさらに事業を進めていくために、一緒に活動する仲間を募集されているそうですね。どのような方に集まっていただきたいと考えていますか。

 私たちのように、理念を共感してもらうことで進める事業をしていると、ボランタリー精神の強い方が集まることが多いです。
 障がい者をサポートしたい、社会をよりよくしていきたい、という思いはもちろん大切です。
 しかしスタートアップ企業として経営していくからには、やはり「稼ぐ」ことも重要です。
 利益を出し、事業として継続していかなければ、サービスを提供していくことはできません。

 この点は、既存の障害者施設の課題にも共通する部分があります。
 障害者施設は福祉の観点か立ち上げられていることが多く、長期的な経営視点を持って運営されていることはあまり多くないように感じています。

 障がいのある方への思いと、この事業でお金を稼ぐこと、この両方のマインドを持っている方と出会いたいと考えています。
 (6962)

採用情報【株式会社 Lean on Me では、一緒に働く仲間を募集しています】

採用情報【株式会社 Lean on Me では、一緒に働く仲間を募集しています】障がいのある方とその家族が、将来のライフプランについて希望を持ち、見通しを立てることができる社会を私たちと一緒に構築しませんか。

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