岸田新首相で株価下落!? マーケットの行方は

2021年10月5日 15:51

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●岸田氏が第100代の新首相に

 9月29日の自民党総裁選で、決選投票の末に岸田文雄氏が勝利し、10月4日の臨時国会で第100代内閣総理大臣に指名された。

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 菅首相の総裁選不出馬による退陣表明から上がり続けてきた日経平均は、9月29日から10月4日までの6日間で1000円以上値下がりし、期待されていたご祝儀相場はなかった。

 菅氏の退任からの上昇で3万円を回復し、約31年ぶりの高値を記録した日経平均だが、岸田氏の選出はマーケットに失望を与えたのだろうか?

●岸田氏はマーケットに不人気?

 岸田氏は財政再建・緊縮財政派として知られており、就任すれば消費増税などの増税路線による景気の落ち込みが警戒されていた。

 総裁選の終盤になり、消費税は10年上げないと火消しに回ったが、金融所得課税の見直しに言及し、1億円の壁を念頭にすると発言。貯蓄から投資への流れに逆行するという懸念がある。

 規制改革派で最低年金保障などの年金制度改革を打ち出す河野氏や、初の女性総理との期待が高かった高市氏の方が目新しさや改革への期待は高かった。

●下落は岸田ショックなのか?

 今のところ失望売りの様相を呈しているが、そもそも就任が決まる直前から下落傾向は始まっていた。

 天然ガスや原油の上昇によるインフレに対する懸念や米国・長期金利も上昇していた。中国・恒大集団の債務不履行問題も燻っている。

 決選投票になれば、岸田氏有利は総裁選の数日前から伝えられており、ある程度は織り込み済みだったはずである。

 岸田氏は年内に数十兆円規模の経済対策を策定するとしており、幅広い給与引き上げなど、アベノミクスで実現できなかった中間層・低所得層の底上げを念頭に置いた政策になる見込みだ。

 10月31日に投開票が行われると見られる衆議院選挙を控えており、経済対策は重要になる。これで与党が負けるようなことがあれば、マーケットには再び衝撃を与えかねない。

 党役員・閣僚人事でもあまり好感は得られず、岸田新政権はマーケットでは早くも試練を迎えているが、経済対策の中身と衆院選の結果次第では、再び3万円台か回復もそう遠くはないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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