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コロナ関連の破たん2076件に 9月は過去最多 働き手確保が課題 東京商工リサーチ
東京商工リサーチは1日、コロナ禍の影響で経営破たんした国内事業者数が1週間で71件増え、累計で2,076件(負債1,000万円以上)に達したと発表。9月は160件に達し、過去最多を更新。飲食業界や旅行関連業界では緊急事態宣言等の全面解除を受け予約が急増するが、人員確保が進まず正常化にはまだ時間がかかる。製造業においても供給不足により景気先行きへの懸念が高まりつつある。
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緊急事態宣言と「まん延防止等重点措置」が1日に全面解除されたことを受け、飲食店、旅行代理店、ホテル等の予約が大幅に増えた。これら業種の予約が増えたことで、酒類卸売業等への発注も戻りつつあり、業界全体に回復の兆しが見えてきた。
一方、飲食業界の働き手の一部はコロナ禍で他業種に流れており、アルバイトをはじめ人員確保に課題がある。また、東京や大阪など大都市では、自治体への第3者認証の申請が急増し、自治体職員による認証手続きが追いついていない。
日銀が1日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観)では、飲食業などの回復期待を受け、大企業非製造業の指数が改善した。これに対し、大企業製造業では先行きを示す指数が大幅悪化した。世界的な半導体不足に加え、コロナ感染拡大で東南アジアにある生産拠点の操業が低下し、トヨタをはじめ自動車が減産したことが主因。自動車のほか、大手アパレルでも、ベトナム等における工場の閉鎖や稼働率低下を受け販売計画を見直す動きがある。
新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間2日午前9時時点で2億3,417万人超、死者数は478万人超。国別の最多は米国の4,357万人超、次いでインドが3,376万人、ブラジルが2,142万人。以下、イギリス787万人、ロシア742万人、トルコ715万人、フランス711万人と続く。日本は累計170万人を超えた。
かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、1日時点で2,076件(負債1,000万円以上)に達したと発表。負債1,000万円未満の小規模倒産を含めると2,188件(先週比75件増)。破たん企業(負債1,000万円以上)が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで2万1,589人(同245人増)に達した。9月は飲食業を中心に、過去最多の破たん件数だった。
緊急事態宣言等の全面解除で、飲食業界などコロナの影響を強く受けた業界は回復が期待される。一方、長期間の休業等で働き手の一部は他業界へ流出しており、大手チェーンなどは営業再開を一部店舗に限定しており、コロナ前に戻るにはしばらく時間がかかる。政府による金融支援は続くものの、債務は膨れ上がっており、経営環境が厳しい点は変わらない。(記事:dailyst・記事一覧を見る)
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