10年間の平均営業増益率17.2%、MonotaROは何故強い

2021年9月23日 16:56

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2021年に入り新たに稼働した茨城中央サテライトセンターの外観。(画像: MonotaROの発表資料より)

2021年に入り新たに稼働した茨城中央サテライトセンターの外観。(画像: MonotaROの発表資料より)[写真拡大]

 成長企業=良い会社=中長期の株式投資の対象、そんな視点から企業記事・株式記事を書いてきた。が、正直に言うと、「まさか、ここまでの企業になるとは」という存在に時として出会う。MonotaRO(モノタロウ、東証1部)など、その代表格だ。事業者向け工場の間接資材を「1物1価」で、ECを中軸に販売している。

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 前2020年12月期の「19.7%増収、23.8%営業増益、3円増配18円は」に続き、今期も「23.4%の増収(1942億2000万円)、25.4%の営業増益(246億7800万円)、株式分割勘案5円増配23円配」で立ち上がった。そして中間期実績は売上・営業利益「918億6800万円、118億9800万円」。今期計画を含む5期間の平均営業増益率は51.88%。

 過去10期を調べなおしたが、10期連続増益・平均増益率17.2%。株価がそんな企業を放置するはずがない。12年初値で買い今日まで9年9カ月余り保有していると、株式分割等を勘案した調整値で投下資金は51倍強に増幅している。

 こんな会社は、どういう経過で生まれたのか。

 2000年に住友商事と米国最大の工場向け間接資材企業:グレンジャー社の共同出資で、グレンジャー社・日本拠点と言うか日本版グレンジャー社として住友商事内にいわば「社内起業」として立ち上がっている。当時のスタッフは4名。現取締役会長の瀬戸欣也氏、現代表取締役の鈴木雅也氏も当時のスターティングメンバー。

 「1個の商品からでも配達・1物1価」のビジネスモデルは、住商時代、米国留学後にシカゴ現法の社長の座に就いた瀬戸氏が、文字通りグレンジャー社の現状を耳目にしたことに起因する。帰国後、共同事業を提案したのである。MonotaRoは2000年10月に設立された。

 モノタロウの強みについては、以下のように説明できよう。

★今期中間期時点のWebでの取扱商品数1,800万点もさることながら、登録会員数615万3878(社)がポイント。ライバルがいないのである。

★価格競争力。IT活用で流通コストを落としている点はもとより、背景にある住友商事の存在。つまりどこから買えば安く仕入れられるかを熟知している。

★ワンプライスの信用性。

★グレンジャー社の成功知見の活用。

★テンマ。数多い商品群から必要品を見つけ出すのは容易ではない。テンマと呼ばれる検索エンジンで、品番・キイワード・メーカー名・商品属性を組み合わせた検索が容易に行える。

★ユーザーのニーズ事情を把握していることから、商品の組み合わせ提案が可能。

 ちなみに準大手証券は2600円台入り口の時価に対し、目標値を2750円と公にしている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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