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エルサルバドルのビットコイン法定通貨採用、波乱のスタートに
●初日に大幅下落
中米のエルサルバドルは7日から、仮想通貨(暗号通貨)ビットコインを法定通貨化したが、ビットコインの価格は約20%近く下落した。
【こちらも】エルサルバドルがビットコインを法定通貨に採用 その影響は?
ビットコインの法定通貨化は、エルサルバドルが世界初であり、注目を集めていた。ビットコインだけでなく、イーサリアムなどの他の暗号通貨も売られ、動揺が広がっている。
急落原因の1つは、エルサルバドル政府による公式ウォレット(電子財布)CHIVOに不備があり、電子財布のアクセスを遮断したことがあると見られている。
ロイター通信などの報道によると、エルサルバドルは使用を促すため、CHIVOのユーザーに30ドル程度のビットコインを配布すると確約している。政府も継続的にビットコインを購入しており、8日時点で550ビットコイン(28億5000万円)を保有しているという。
6月に承認された世界初の法定通貨化は、中米の小さな国での出来事であったが、その行方を世界中が注目している。出だしはつまずきのようにも見えるが、今後のビットコインの価格にも大きな影響を与えるのか?
●エルサルバドル国内の反応
急落の流れは、7日0時にCHIVOがアップル、グーグル、ファーウェイのアプリからダウンロードできないと、エルサルバドルのブケレ大統領が批判したことから始まった。
午後には一部でダウンロードできるようになり、ビットコインで買い物している様子をブケレ大統領がSNSで拡散してアピールもした。
ビットコインが法定通貨化されても、米ドルは従来通り流通している。だが首都サンサンバドルではビットコインの法定通貨化に反対するデモも発生するなど、国民はビットコインに懐疑的のようだ。
●ビットコインへの影響は?
世界銀行が7日、エルサルバドルの法定通貨化について支援できないという見解を示したことも、下落に拍車をかけたとも見られている。
下落は一旦落ち着き、1BTC=46000ドル近辺で取引されている。
エルサルバドルのビットコイン法定通貨にはまだまだ課題があり、今後も下落に繋がるニュースはあるかもしれない。一方で今回の下落は、買われ過ぎだったことの調整と見ることもでき、他の好材料が出れば再び上昇に転じる可能性もある。
今後も個別の動きが相場に影響を与える可能性はあるため、注意は必要だろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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