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JR東海、通期予測を下方修正 上期は営業赤字へ コロナ禍収束の目処立たず
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■上期は赤字予測に
JR東海(9022)は7月30日、22年3月期第1四半期(4月〜6月)の連結決算を発表。合わせて上期と通期の業績予想を下方修正した。上期に関しては、売上高は前回発表の5,070億円より18.5%減の4,130億円(前年同期比22.2%増)、営業利益は520億円の黒字予想から300億円の赤字(前年同期は1136億円の赤字)、最終利益は70億円の黒字予想から490億円の赤字と、一転赤字予想に修正した。
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通期に関しては、売上高は前回予想の1兆2,340億円より9.6%減の1兆1,150億円(前期比35.4%増)、営業利益は2150億円より50.7%減の1,060億円(前期は1,848億円の赤字)、最終利益は900億円より83.3%減の150億円(前期は2016億円の赤字)とし、黒字予想は変えずも、業績に対して極めてネガティブであることが伺える。
第1四半期の決算は、売上高が前年同期比40.3%増の1,806億円だったものの、営業損益は253億円の赤字(前年同期は836億円の赤字)、純損益は284億円の赤字(前年同期は727億円の赤字)と赤字継続も、回復基調となっている。
■緊急事態宣言の発令で右往左往
21年3月期は民営化後初の最終赤字を計上したJR東海。新型コロナウイルスの蔓延によって、ドル箱路線・東海道新幹線によって支えられてきた収益構造は大きな影響を受けた。足元では東海道新幹線の乗客数は回復傾向にあり、1Qの運輸実績は前年同期比86.5%増となっており、業績において改善傾向を見せていた。
だが緊急事態宣言の発令と解除等、依然として収束の見えない状況で当初思い描いていた事業計画通りの遂行が難しくなったことから、今回の下方修正につながっている。JR東海では、業績回復は23年3月期以降に先延ばしになると想定しており、自社の企業努力ではどうにもならない状況であるといった模様。
■財務状況は引き続き健全も
事業環境が厳しいものの、財務面では引き続き堅調に推移している。自己資本比率は、前期末の37.9%から0.2ポイント改善の38.1%。リニア中央新幹線建設による特殊事情があるため一概には言えないものの、上場するJR各社の中では鉄道事業以外で拡大しているJR九州に次ぐ自己資本比率の高さである。
足元は厳しい状況ではあるものの、安定した財務状況がJR東海にとっての保険である。2027年に開業予定であったリニア中央新幹線は、静岡における大井川水系による問題で延期する見込みだが、工事は着々と進行している模様。コロナ禍によってビジネス客の乗降ニーズへの変化が見られる中、どのような事業戦略をとって行くのかが気になるところだ。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)
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