五輪と株価の関連は? 過去の開催例と東京五輪

2021年7月29日 17:51

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●五輪で株上昇?

 東京五輪で連日熱戦が繰り広げられ、盛り上がりを見せている。

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 コロナ禍によりほとんどの会場で無観客となっており、期待されていたインバウンド株や警備会社株は下落。五輪で株は上がるというアノマリーが、東京五輪では期待できないのかという心配の声もある。

 一方で、三井住友DSアセットマネジメントのリポートでは、日本勢が夏季五輪で金メダルを10個以上獲った時は日経平均株価が上昇しているという。

 東京五輪での日本勢の金メダル数はすでに13個(7月28日現在)となり、さらなる上積みが見込まれる中、株価上昇も期待できるだろうか?

●過去の例

 金メダル数と株価との関連では、1968年のメキシコ五輪での11個以来、72年ミュンヘン、84年ロサンゼルス、2004年アテネ、16年リオデジャネイロと、10個以上を獲得した時は、いずれも日経平均株価は上昇している。

 五輪開催国と言う面に着目すると、観光需要の経済効果などで、開催国の株価は五輪開催中には上昇していることが多い。下落したのは1992年のバルセロナ大会と、2008年の北京大会だけだった。

●五輪だけが原因?

 五輪の年は米国の大統領選挙が重なっていることも関係するのではという見方もある。本来東京五輪が行われるはずだった2020年も、日経平均は大幅に上昇した。

 一方で、1992年のバルセロナは東西ドイツ統一後のブームの終焉、2000年はITバブルの崩壊、2008年はリーマンショック、2020年はコロナパンデミックなど、世界的な株価下落局面も起きている。

 開催国は6~7年前に開催が決まってから宿泊施設の建設や交通などのインフラ整備などに投資が必要となるため、自然と経済対策になる。

 ただし、その間に常に株価が上昇し続けるわけではなく、日経平均も2013年9月に開催が決まって以降、下落局面を繰り返しながら上昇してきた。

 懸念されるのが、開催後の反動による景気の落ち込みだが、オーストラリア、ギリシャ、中国は開催直後、ブラジルは開催直前にGDPが大幅に落ち込んだ。

 だがいずれの国もGDPは一時的な落ち込みで、株価についても閉幕直後に暴落したわけではなく、その後上昇し続けている例が多い。

 過去の五輪と株価との関連を見れば、東京五輪閉幕後はしばらく警戒が必要であろうが、長期的に悲観する必要はななさそうとも言えるだろうか。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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