お盆休みのペルセウス座流星群、2021年は例年にない好条件に

2021年7月26日 17:03

印刷

ペルセウス座流星群がピークを迎える8月13日午前3時の星空。夜空の真上にはアンドロメダ座の大星雲が鎮座し、流星群に花を添える (c) 国立天文台

ペルセウス座流星群がピークを迎える8月13日午前3時の星空。夜空の真上にはアンドロメダ座の大星雲が鎮座し、流星群に花を添える (c) 国立天文台[写真拡大]

 2021年の夏の話題はオリンピックで持ち切りだが、お盆休みも天文ファンにとっては目が離せない状況になりそうだ。というのも、今年のペルセウス座流星群は例年になく好条件がそろっているからだ。

【こちらも】夏休み、自宅で楽しむ国立天文台コンテンツ

 正月のしぶんぎ座流星群、年末のふたご座流星群と並び、お盆のペルセウス座流星群は3大流星群に数えられるだけあって、天文ファンでなくとも知っている人は多いだろう。だが、お盆休みに浮かれて壮大な宇宙のショーを見逃してしまう人も多い。今年は夜更かししてでも、この大天文ショーを見逃さないでいただきたい。

 巷はコロナの影響で、このところ夜空が例年になく良く澄んで、非常にきれいなことに気づいただろうか。それに加えて2021年は月明りもなく、お盆の夜空が暗いのも朗報である。月明りに邪魔されて流星がほとんど見えない経験を何度も積んだことのある人ならば、月明かりのない夜空の流れ星のすばらしさが格別であることは、周知の事実だろう。

 2021年は8月12日の夜から13日の明け方にかけてが流星出現のピークだ。特に日付が変わった8月13日の朝3時ごろから4時ごろにかけて、暗い場所では1時間に50個以上の流星が見られると予想されている。

 ちなみにこの流星群の母体となっているのは、スウィフト・タットル彗星だ。1862年に発見されたものだが、その後行方が分からなくなり回帰予想時期(1981年から82年にかけて回帰してくるものと予想されていた)になっても、存在の確認ができない状況が続いていた。だがペルセウス座流星群の出現数が1991年と1992年には例年より大規模になり、回帰が近いのではなと、世界中で捜索合戦が展開された。そして見事迷子の彗星を再発見したのが、日本のコメットハンター木内鶴彦氏であった。

 2021年は木内氏が再発見して、29年目の夏である。東京オリンピック・パラリンピックやコロナで何かと騒がしい夏ではあるが、お盆休みくらいは心静かに流れ星に願いをこめてみるのも一興ではないだろうか。(記事:cedar3・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事