地球に接近する小惑星を監視 NASAジェット推進研究所 7月上旬の情報は?

2021年7月9日 08:35

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 NASAのジェット推進研究所では、地球に接近あるいは衝突する可能性がある小惑星の情報を集め、危機管理を行っている。直近情報によれば、7月6日から7月10日にかけて直径13mから37mの大きさの合計5つの小惑星に関して、地球への接近情報を公開している。

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 この情報によれば、最も地球に接近する小惑星は、直径22mで7月6日に地球から約113万kmの宇宙空間を通過する。この距離は月までの距離の約3倍に相当するため、たとえ軌道が狂ったとしても、地球に衝突する恐れはない。また残念ながらこの程度のサイズの小惑星では双眼鏡でも見えないし、ベランダから天体望遠鏡で観察することもできない。

 だが質量の小さな天体は、物体が常に現在の運動状態を保とうとする慣性も弱いため、ほんの少しの重力バランスの崩れで、軌道が大きく変化する危険性があることを忘れてはならない。

 NASAでは小惑星の慣性の小ささに起因する軌道の変動も加味して、地球に衝突する脅威がある天体の監視を続けている。そのような脅威の指針として、地球から750万km以内に接近する直径150m以上の天体を潜在的な危険を有する存在と位置付けている。

 ジェット推進研究所が公開している情報によれば、宇宙空間からは地球の引力に捕らえられた様々な天体、あるいは粒子が落下してくるのだが、微粒子や砂粒サイズのものが落下してくる量は1日約100トンにも及ぶという。また自転車と同じくらいの大きさの隕石であれば年に1度程度の頻度で落下してくる。

 そして数百万年に1度くらいの頻度で地球文明を脅かすほどのサイズ(直径数km以上)の小惑星が地球を襲う。このサイズに匹敵する現在最も危険視される小惑星はトータチスで、直径が5.4kmもある。このトータチスは地球の公転周期のほぼ4倍の公転周期を持ち、頻繁に地球に接近する。最近では2004年9月29日に156万km(月までの距離の約4倍)まで接近している。

 人類が文明を持つようになってたかだか1万年であり、この短い間にたまたま地球には人類の文明を脅かすような小惑星の襲来はなかったが、今から約6500万年前に恐竜が滅びてしまった時のような、直径10kmを超える小惑星がやがて人類を襲う日がやってこないとも限らない。

 幸いにして現在のところNASAではそのような脅威となる事象についての予測は立てられていないが、それは太陽系内の小惑星に限った話であって、2017年に発見されたオウムアムア(直径約400m)のようにある日突然太陽系外から脅威が襲来する可能性もあるのだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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