コロナで強制的にテレワークになり、突然家に持ち込まれた仕事。その時家庭で何が起きていたのか?(連載第1回)

2021年7月2日 09:07

印刷

記事提供元:biblion

 (連載第1回)2020年の春、突然始まったワーク。このテレワークという新しい働き方は、これまで仕事も家庭も大切にしようと過酷な共働きを続けてきた私たちにとって、ピンチでもありチャンスでもあるのではないでしょうか。本連載では「家族のそばで仕事をする」という経験が共働き夫婦にもたらした変化を、実際のエピソードを通して紹介しています。ご自身の働き方・生き方の本質を見つめ直し、ぜひ未来について考えてみてください。本連載は4回を予定しています。ご興味いただけた方は記事最後に紹介している書籍『やってみてわかった子育て夫婦のテレワーク』もぜひご覧ください。

コロナで強制的にテレワークになり、突然家に持ち込まれた仕事。その時家庭で何が起きていたのか?(連載第1回)

 本連載は、書籍『やってみてわかった子育て夫婦のテレワーク−進化を止めるな!テレワークで見つけた「これからの私」−』(2021年5月発行/著者:ikumado)の一部を、許可を得て抜粋・再編集し収録しています。
■今こそ、男女分業への思い込みを解消する!緊急事態...
via www.amazon.co.jp

【本記事はこちらの書籍からご紹介しています】やってみてわかった子育て夫婦のテレワーク


¥902

■今こそ、男女分業への思い込みを解消する!

 緊急事態宣言によって突然始まったテレワーク。これまで仕事も家庭も大切にしようと過酷な共働きを続けてきた私たちにとって、ピンチでもありチャンスでもあるのではないでしょうか。
 本書では、「家族のそばで仕事をする」という経験が共働き夫婦にもたらした変化を、実際のエピソードを通して紹介しています。
 いま仕事と家族の関係に悩みながら子育て中の方、そして企業で人事部やマネジメント職にいらっしゃる方にも参考にしていただける内容が詰まっています。
販売サイトへ

コロナで強制的にテレワークに。その中で気づいたこと

 「まさか、こんな日が来るなんて……」と、誰もが思ったであろう状況がスタンダードになろうとしています。
 コロナウイルスの流行をきっかけとして、これまで当然だった会社に行かなければいけないという社会の概念が覆り、企業側は従業員に対して会社に来ないように、政府からも企業に向けて出社比率を下げるように、と方針が発表されるようになりました。

 多くの企業がテレワークを無理やりスタートした2020年4月頃は、それは悲惨なものでした。

 「うちの会社、ノートパソコンの人が少ないんだよね。しかも、社内の基幹システムがインターネット
 につながってないから、ほんとにごく一部の人しかテレワークできてない」
 「夫の会社(オフィスが都内)が、感染防止のために、自宅が東京都外の人は都内にアパート借りて
 単身生活するように、だって……」
 「うちの会社、すごく古い文化だから『全員出社』って言ってて不安だな……」
 「学校が閉鎖になったんだけど、一体どうやって働けっていうの?」
 「子供が一緒だと、家の間取り上、テレワークって本当に難しいんだよね……」
 「Zoomって何?」

 きっと、これを読んでらっしゃる方も、当てはまるものがあって頷いていらっしゃるのでは……と思いますが、こんな声が周囲のそこかしこで聞こえたものです。なんだか不謹慎にも笑ってしまいますが、2020年4月頃は日本中が一斉にこんなやりとりで右往左往していました。ikumadoメンバーでテレワークに関する戸惑いについて意見交換する中で、最初のうちこそテレワークに必要な物理的なテーマ(ノートパソコンのスペックや、ネットワーク状況、書斎の有無や机や椅子の機能など)について盛り上がったものの、時間経過とともにソフト面の話が増えていきました。

 そのソフト面の話をまとめると、大きく3つのテーマになりました。

 1.仕事
 2.パートナー
 3.子供

 それぞれのテーマについて、具体的にはどのようなことに戸惑いがあったのか詳しく紹介していきます。

1.仕事についての戸惑い|「自分にとって仕事とは何なのか」

 ひとつ目の「仕事」は、テレワークをする中で思いがけず、自分の仕事観と向き合うことになった人が多かったことから挙がったテーマです。

 ikumadoメンバーからは、これまでの働き方についてこんな意見が聞こえてきました。

 ・いかに子供を持つ前と同等のパフォーマンスを発揮するかを考えていた。
 ・働き方がコントロールしにくいと感じつつ、どうしようもできなかった。
 ・子供との時間が、仕事に侵食されるのは多少は仕方ないと思っていた。
 ・フレックスタイム制を活用して自分の時間を戦略的に組み立てて働きつつも、子供がもうすぐ
 小学校に入学するので、出社メインの働き方に不安を感じていた。
 ・仕事と複業、学び、育児、家族との時間……どれもがバラバラで、組み立てに必死だった。

 たとえ子育てに追われる中であっても、仕事で良いパフォーマンスを発揮したい・しなければならない……! と試行錯誤し、少しばかり仕事優先の姿が目に浮かびます。
 こんな風に、これまで仕事に邁進してきた人こそ、コロナウイルス蔓延による「足止め」感を多かれ少なかれ感じたと思います。

 そしてそれがあったからこそ、
 「そもそも、こんなに忙しく働く必要あったのかな?」
 「これから世の中の価値観が変わる気がする。私の仕事、このままでいいのかな?」
 「私がやりたい仕事って本当にこれなのかな?」
 「これからどうやって、働いていこうか」
 と自分の心の声と向き合う時間がとれたのだと思います。
 (6677)

2.パートナーについての戸惑い|共に過ごす時間が激増し、パートナーシップを探究

 テレワークを語る時に、切っても切り離せないのが2つめの「パートナー」の存在です。
 私たちのコミュニティでも、このテーマが最も盛り上がったといっても過言ではありません。

 共働きでこれまで顔を合わせるのは朝晩と週末くらいだった関係が、急に四六時中べったり一緒。家庭によっては、そこに子供も加わり、家族で共に過ごす時間が激増しました。その中で、ご紹介しきれない程たくさんのエピソードを聞きました。

 ・家事・育児の分担問題で頻繁にケンカが発生した夫婦
 ・共働きなのに、なぜか夫の仕事ばかりが優先される空気に怒り心頭の妻
 ・妻が何を求めて怒っているのかわからずにうろたえている夫

 もちろん、次のようなポジティブな意見を聞くこともありました。

 ・チーム感があって良かった
 ・お互いにテレワークだと、子供のことをすぐに相談できて良い

 いずれにしても、パートナーと共に過ごす時間が増えたことで、これまでよりもお互いの探究が進んだのは間違いないようです。

 そしてその先に「ああ、この人ってこういう人だったな(良い意味でも悪い意味でも)」「じゃあこの人と、これからどうやって関係構築していこうか」など、思いを巡らせた方も多かったのではないでしょうか。
 「コロナ離婚」という言葉すら生まれてしまったこの難局を、皆さんはどのように過ごし、これからどうしていきたいと考えていましたか?

3.子供についての戸惑い|「課題」と「希望」の双方が見えた

 そして最後のテーマは「子供」です。
 ここは子供の年齢によって、大きく違いが出てくるテーマだと思います。
 まだ子供が小さい家庭の場合は、保育園閉鎖により完全自宅育児となり、仕事どころじゃなくなった……という声が多かったと思います。
 小学校以上の場合、学校のIT化への遅れや、学校そのものの意味を問い直す意見について、コミュニティ内外でよく目にしました。

 ネガティブな話ばかりでなくみんなが学校に行けない状況になったことで不登校の子が元気になったり、オンライン授業が取り入れられたことで何かしらハンディキャップのある子供でも授業に参加しやすくなったり……という話も聞こえてきて、この部分は気持ちが明るくなったものです。

 子供と過ごす時間や教育を巡る多くの問題、その時皆さんは、何を体験してどう感じていましたか?「仕事」「パートナー」「子供」、この3つのテーマを通じて何よりも感じたのは、コロナをきっかけに「本質に向き合う・考える」ということでした。
 仕事の意義、仕事観、パートナーシップ、子供との関係や教育……。

 コロナによる足止めの中、日々のノイズから遮断されたことで、それぞれの深部まで考えるきっかけが持てたのではないでしょうか。
 コロナウイルスへの慣れ、はたまたコロナウイルスの終息(するならば)とともに、私たちの働き方はすっかり以前に戻ってしまうのでしょうか?

 3歩進んで3歩戻らないために、今とこれからを一緒に考えてみませんか?■今こそ、男女分業への思い込みを解消する!緊急事態...
via www.amazon.co.jp

【本記事はこちらの書籍からご紹介しています】やってみてわかった子育て夫婦のテレワーク


¥902

■今こそ、男女分業への思い込みを解消する!

 緊急事態宣言によって突然始まったテレワーク。これまで仕事も家庭も大切にしようと過酷な共働きを続けてきた私たちにとって、ピンチでもありチャンスでもあるのではないでしょうか。
 本書では、「家族のそばで仕事をする」という経験が共働き夫婦にもたらした変化を、実際のエピソードを通して紹介しています。
 いま仕事と家族の関係に悩みながら子育て中の方、そして企業で人事部やマネジメント職にいらっしゃる方にも参考にしていただける内容が詰まっています。
販売サイトへ

著者:千木良(堀添)直子

著者:千木良(堀添)直子育休&共働きコミュニティikumado代表/株式会社COEO 代表取締役/2児の母。リクルートで育休を2回取得した際の社会との隔絶感を社会課題と感じ、2018年に「育休&共働きコミュニティ ikumado」を立上げた。2021年3月現在、500名のメンバーが参加し、週に2~3回のオンラインイベントが行われている。今後はチームでプロジェクト型の複業を担う事業で創業予定。国家資格キャリアコンサルタント。

著者:中村 友美

著者:中村 友美ikumado運営メンバー/中小企業向け営業企画支援 CLEAR WATERS代表1児の母。日本放送協会(NHK)や大手広告代理店などでの会社員経験を経て、夫の仕事都合による海外移住を機にフリーランスに転向。海外での出産・育児で孤独感に苛まれていた際、ikumadoに出逢って救われる。2020年に帰国し、中小企業の営業・マーケティング・業務フロー構築を支援するCLEAR WATERSを設立。仕事の傍らikumado運営に携わる。

ikumado – 育休&共働きコミュニティ

ikumado – 育休&共働きコミュニティ子供が産まれても、社外のいろんなひとと自分軸の話をしたい男女が集まる参加無料のコミュニティです。イベントは主に「ZOOM」を使っていますので、自宅にいながら気軽に参加できます。内容は、キャリア、ビジネス、ワークライフバランスなど。共感いただける方、ぜひFacebookでつながりましょう! 元のページを表示 ≫

関連する記事



パパ育休に立ちはだかる理想と現実のギャップ。「何で育休を取ったの?」と言われないためにやるべきこと(連載第4回)
育休企画書で「目的」「会社にとってのメリット」を整理する。職場の仲間に育休取得を応援してもらう工夫(連載第3回)
「育休取りたい」と会社に言える? 普段からの社内コミュニケーションで、上司を「祖父母化」しておくコツとは(連載第2回)
そもそもパパ育休って何? どれくらい休めるの? ぶっちゃけお金は大丈夫? ー育休への不安・疑問を解消し、日本のパパ育休をアップデート!(連載第1回)
メンタルまでケア。歯医者さんは「理想のホームドクター」になる

※この記事はbiblionから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事