関連記事
地球を発見できる可能性がある星は? コーネル大学の研究
かじき座の100光年離れた惑星系にあるTOI700dのイラスト。これはNASAのトランジット系外惑星探査衛星によって発見された最初の地球サイズのハビタブルゾーン惑星である。ひょっとしたらここに地球を発見できるエイリアンがいるかもしれない。 (c) NASA's Goddard Space Flight Center[写真拡大]
地球以外の知的生命体がきっと宇宙のどこかに存在していると、ひそかに信じている人も少なくないだろう。だが世界中の研究者たちが血眼になって探し続けているものの、いまだに知的生命体の痕跡を宇宙のどこかに見出したというニュースを発見したためしがない。
【こちらも】地球生命起源の評価と地球外生命体の存在予測 グラナダ大学の研究
従来の地球外知的生命体の探索方法は主に2つだ。1つは、宇宙からやってくる自然に由来しない電波を、あらゆる周波数帯であらゆる方向に対してアンテナを張り巡らせ、くまなく調べる方法だ。もう1つは、太陽系外の惑星を光学的技術を駆使して探索し、その中で地球に近い質量でかつ、恒星からの距離がハビタブルゾーンにあるものをピックアップする方法だ。
だが、コーネル大学の研究者らによって、従来のアプローチ法とは全く異なる視点による知的生命体の探索に関する研究論文が公表された。この論文によれば、太陽系外惑星探索によく用いられているトランジット法により、太陽を横切る地球の影を観測できる可能性を持つ星の特定を試み、地球から326光年以内の距離にある2,034個の恒星系をピックアップしている。その内訳は、今から5,000年前から現在に至るまでの間に地球を見出せる可能性のあった恒星系が1,715個、向こう5000年間に地球を発見できる可能性がある恒星系が319個であった。
恒星系は絶えず宇宙空間内を移動しており、もちろん太陽系も地球も移動し続けている。この研究は、現在の恒星の位置に基づいた地球を発見できる可能性がある星の候補をピックアップしたものではない。現在から5,000年前から、これから5,000年後までの1万年間の星の移動経路を加味して、移動する恒星系から地球が発見できる可能性があるものを抽出している点に注意が必要である。
2,034個という数字が意味するところはあくまでも恒星系の数であって、知的生命体が存在する惑星の数ではない。おそらく単純に惑星の数だけ数え上げるとするならば、その倍以上の惑星があるだろう。
そこに生命が誕生して、知的生命体に進化し、現在からプラスマイナス5,000年以内にその星で文明を維持できている可能性がある惑星という前提で絞り込んでゆくと、そんな惑星は存在しないという結論にたどり着くだけかもしれない。地球の歴史が46億年もあり、その中で文明が存在した時代はたった1万年にも満たないのだから、人類がエイリアンに出会いたいと思っても、確率的には無理な話なのかもしれない。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
関連キーワード