イギリス英語のアクセントの違いを楽しもう! ウェールズと北アイルランド編

2021年6月28日 07:15

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南ウェールズのカーディフ (c) Madrugadaverde/123RF.COM

南ウェールズのカーディフ (c) Madrugadaverde/123RF.COM [写真拡大]

 今回取り上げるイギリス英語のアクセントは、ウェールズとアイルランドだ。ただ、両地域とも固有の文化圏を形成しており、アクセントの種類も多種多様である。そのためすべてをカバーすることはできないが、以下では日本人でも比較的聴き取りやすい代表的なアクセントとそれを確認するのにぴったりな映像作品を紹介しよう。

【こちらも】イギリス英語の多様なアクセントを楽しむ! バーミンガムとスコットランド編

■South Walian accent(南ウェールズ地方のアクセント)

 電車ならロンドンから2時間程度で行けるウェールズだが、そこで話されるアクセントはロンドンの標準的なそれと比べてかなり異なっている。また、ウェールズだけでも50以上のアクセントがあるため、ウェールズアクセントとひとまとめにすることも無理があるだろう。そこでここでは、カーディフやスウォンジーなど南ウェールズ地方のアクセントに注目したい。

 南ウェールズ地方のアクセントがよくわかるのが『Gavin & Stacey(ギャビン&ステイシー)』というテレビドラマシリーズだ。このドラマをおすすめするのは、単に南ウェールズを舞台とするだけでなく、イングランドの文化やアクセントとの対比に優れているからだ。

 主人公の1人、Gavinはイングランド・エセックス州出身で、もう1人のStacyがウェールズ出身だ。2人はロンドンで出会い恋に落ちる。お互いの文化や環境の違いを乗り越え、結婚に至るホームコメディなのだが、アクセントの観点から見てもおもしろい。

 Stacyを演じるJoanna Pageはスウォンジー出身なので、生粋の南ウェールズアクセントが聴ける。エセックスには以前紹介したEstuary EnglishやCockneyを話す人が多く、Gavinと彼を取り巻く人たちもこれらのアクセントを操る。地理的にはそれほど離れていない両地域だが、文化的にはこれほど違うのかということがよくわかる興味深いドラマだ。

■Northern Irish accent(北アイルランドのアクセント)

 アイルランド島の北東部、北アイルランドもイギリスの一部である。アイルランド由来の言葉や文化の色濃い地域だが、英語の語彙や発音、リズムにも独特の特徴が見られる。

 北アイルランドだけでもさまざまなアクセントがあるが、ここでは1990年代のデリーを舞台にしたコメディ『Derry Girls(デリー・ガールズ ~アイルランド青春物語~)』を紹介しよう。女子高に通う仲良し5人組が繰り広げるコメディで、イギリスだけでなく世界的な人気を獲得しているドラマだ。2018年にスタートし、現在もNetflixで配信中なので機会があればぜひ見てもらいたい。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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