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中国語は簡単!? ポリグロット・バイリンガルが伝える外国語学習で大切なこと
スティーブ・カウフマン(Steve Kaufmann)さんは世界で最も有名なポリグロットとして各国のYoutube動画に出演し、効果的な外国語の勉強法を全世界に向けて発信している。日本語や中国語も堪能なスティーブさんは、日中両言語で、外国語の学習方法について、動画で紹介している。
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そんなスティーブさんが5月、日本在住で日本語堪能な中国人女性楊小渓さんと一緒に、中国語学習に関する動画を発信した。2人の会話は中国語だが、分かりやすくはっきりと話しているので、聞き取り安い。日本人が中国語学習を効果的に進めるためのヒントもたくさん提示している。
2人は日本人の中国語学習者に対して、それぞれ下記のようにアドバイスしている。
■楊さんのアドバイス
1.日本人にとって、中国語は学びやすい言語である。
日本語には、常用漢字が2000字あると言われている。中国語の書籍や新聞を読むのに必要な漢字は3000字と言われている。日本人は、すでに2000の漢字を知っているので、他の外国人に比べて有利である。
「百度百科 常用字」
https://baike.baidu.com/item/%E5%B8%B8%E7%94%A8%E5%AD%97/10071115?fr=aladdin
2.日本人は簡体字が理解できないため、慣れるまでは苦労するかもしれない。
中国人は繁体字と簡体字2つとも理解できるが、日本人の多くは、簡体語が読めない。日本人は簡体字に慣れるまで大変かもしれない。
3.中国語を学ぶ日本人にとって、最も難しいのは発音。特に四声、巻き舌音、後鼻音など日本語に無い発音は、習得が難しい。ただ、会話で四声を間違えても、全体の流れの中で意味が伝わるので、神経質になりすぎないほうがよい。
4.外国語学習は、学習者の母語と、学ぶ言語が近いか遠いかで難易度が変わる。中国と日本は等しく漢字を使っている。文化も似ているため、両国民にとって互いに学びやすい言語である。
5.手紙、勉強、娘など、同じ漢字を使っていても、意味が全く異なる言葉が少なくないので、注意する必要がある。
6.言葉の学習を通して、相手の国の文化や、物事の考え方などについてより深く理解できる。文化や思考は言語に大きな影響を与えている。
■スティーブさんのアドバイス
1.欧米人にとって、中国語学習の難しいポイントは、四声と漢字。日本人は漢字を使う国なので、欧米人よりも有利である。
2.中国語の四声を漢字1文字ずつ正確に暗記するのは不可能。フレーズで覚えるほうが効率的。
3.語学学習は態度や気持ちの問題。同じ漢字を使っているからと驕ること無く、謙虚な姿勢で正確な発音を模倣することが大事。異なる文化を持つ国の言葉を学ぶ環境に飛び込む必要がある。相手国の文化に興味を持ち、その国やその国の人を好きになるのが語学習得の早道である。
4.全ての外国語は、主語や述語の位置、話す順番などが異なる。多読多聴から学ぶのが、最も効率的な方法だ。
5.中央アジア・中近東は歴史的に見ても、全世界に影響を与えた重要な地域。アラブ語、トルコ語、ペルシア語など中央アジア・中近東の言語を学ぶと、外国語学習を通して、いろいろな発見があって興味深い。
2人は共に「外国語学習を進める上で、相手国の人や文化に対して興味を持つ」ことの重要性を強調している。外国語を学ぶことで、言葉だけでなく、その国の人の考え方や歴史を理解できるのが、外国語学習の醍醐味だ語っている。
多くの研究者や教育者が外国語学習に近道は無い、コツコツ続けることが大事と指導している。しかし、外国語を学ぶ時の態度や姿勢には、近道があるのかもしれない。(記事:薄井由・記事一覧を見る)
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