商船三井はAI技術の一つ「数理最適化」を活用した自動車船の配船計画支援システムの運用を開始

2021年6月9日 16:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■自動車船の配船計画支援システムの運用を開始しDXを加速

 商船三井<9104>(東1)とグループ会社の商船三井システムズは、「数理最適化」を活用した自動車船の配船計画支援システムの運用を開始している。

 「数理最適化」は、AIの基盤技術の一つである数理最適化は意思決定・問題解決のための一つの手段で、与えられた制約条件の下で目的関数を最小(もしくは最大)にする解を求める。資産運用、配送計画、電力運用、スケジューリングなど幅広い分野で活用されている。

 同社は自動車船オペレーターとして世界最大規模の約100隻を運航している。世界各地の自動車の生産拠点と消費地を結ぶ海上輸送ルートは多様であり、世界中のお客様の輸送需要に応えるには、船隊の全船を効率的に稼働させることが必要不可欠。そのため、1船ごとに数カ月先まで輸送ルートのシミュレーションを行い、理論的には全船で数百万通りにものぼる組合せの中から船隊全体としての最適解を導き出す必要がある。

 同社では、大阪大学の梅谷俊治教授の協力の下、数理最適化技術を用いて膨大な組合せの中から最適な配船計画を短時間で導き出すアルゴリズムを開発し、これを基にしたシステムの運用を開始した。システムの導入により迅速な意思決定が可能となり、輸送需要の変化にも機動的に対応することができる。また、船隊全体の輸送効率の向上は、輸送単位量あたりの燃料の節減につながり環境負荷低減への貢献も期待できる。

 同社グループは、今後もデジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に進めることで一層の輸送サービス品質向上を図り、物流のビジネスパートナーとして顧客に選ばれる企業グループを目指していくとしている。

【梅谷俊治数理最適化寄附講座教授】

 2003年に京都大学で情報学博士号を取得、2008年より大阪大学大学院情報科学研究科、現在、数理最適化寄附講座教授。専門は組合せ最適化であり、実世界から収集された大規模データに基づく大規模かつ多様な組合せ最適化問題に対して実用的な解を効率的に求めるアルゴリズムの開発に従事している。また、産学連携を通じて、数理最適化を活用した現実問題の解決に積極的に取り組んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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