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FXスワップトレードの意外な高利回り率 確実に利益積み上げる資産運用にも
FXトレードと聞くと、海外のFX口座を使って何百倍ものレバレッジ(国内口座は25倍まで)を効かせ、細かい値動きで稼ぎを積み上げていくデイトレを想像する人もいるだろう。だがハイ・レバレッジのFXトレードはハイリスク・ハイリターン投資とされ、老後資金などのライフイベントに備える資産運用としてはあまり適切ではない。
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そこで同じFXでも、トレードをほとんどせずに外貨保有で利益を積み上げる、スワップポイント狙いの投資・スワップトレードを紹介したい。
このスワップポイントとは、各国の政策金利の差によって発生する損益のことで、2国間の政策金利差が大きいほどスワップポイントが大きくなるのだ。スワップポイントの計算方法はシンプルで、現時点での国の政策金利差がそのままポイントに繁栄される。
たとえばアメリカドルの政策金は6日時点で0.25%、日本は世界最低水準の-0.10%で、その差は0.35%となる。つまり、円で米ドルを購入して1年間保有すると、保有通貨の時価総額に対して年間0.35%の利益が付与される計算だ。ただし、為替レートや金利は変動することから、スワップポイントは日割りで付与されるルールとなっている。今日、円で米ドルを購入し保有する場合、0.35%÷365日で約0.001%/日となる。
なお、基本的にスワップポイントは1万通貨に対して付与されるため、1万ドル(約109万円)で1日で10円程度(FX口座によってポイントが違う)のスワップポイントが付与されることになる。
109万円の投資で1日に10円なんて、何の意味もないと考えるかもしれないが、FX口座にはレバレッジサービスがある。国内なら25倍までのレバレッジ取引が可能だ。すると4万3600円で1日10円、単純計算で1年3650円の利益が発生するわけだ。この場合、利回りは8.3%で投資ファンドの利回りと比較しても遜色ないだろう。
もちろん、為替変動で1万ドルの価値が下がってしまう可能性もある。また、日本の政策金利が上がってしまうリスクもある。だが、スワップポイントは1日ごとに相応額を付与するルールなので、このメリットを有効活用すべきだ。
レバレッジトレードの場合は、その利用期限内で、購入時よりも為替レートが良いタイミングでポジション調整をし、また買い直せば対処できるだろう。金利政策の変更も、事前のポジション調整での対処が可能だ。
ちなみに米ドル円のスワップポイントは低利率のペアになる。ユーロやイギリス・ポンドも政策金利は低めである。そこで注目されているのが、アメリカと同じ金利のオーストラリア・ドル(0・25%)や、アメリカよりも20倍近く高金利のメキシコ・ペソ(4.5%)がある。もっとも注目度が高いトルコ・リラは、なんと8.25%だ。(金利の数字は20201年6月現在のもの)
メキシコやトルコの通貨を購入して長期保有するならば、相当のリターンが期待できるだろう。6月6日時点で1トルコ・リラは12.64円、1万通貨を購入するのに12万6400円で済む。レバレッジを効かせなくても1日に28円程のスワップポイントが付与される。25倍のレバレッジを効かせれば1日700円のポイントが付き、年間で25万円以上もの利益を得ることも可能なのだ。利回り率はざっと195%となり、まったくトレードをしなければ元本である証拠金も無傷で回収できるだろう。
ただし、トルコやメキシコといった新興国の金利は高め設定だが、為替レートの変動リスクが高いことに要注意だ。トルコ・リラの過去チャートを見ると、2011年には1リラ50円もあったのに、10年間で4分の1にまで対円の為替レートが下落している。年間で資金の2倍にもなるスワップポイントを得ても、リラがこのまま下落するなら証拠金の目減りリスクが高すぎる。
そこで、スワップトレードは通貨ペアを複数立ててリスクヘッジをする。定期的にポジション調整を入れて、丁寧にポートフォリオの管理をすると良いだろう。上手にリスクヘッジができれば、スプレッドトレードは有力な資産運用手段となるはずだ。(記事:TO・記事一覧を見る)
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