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地球上でプルトニウム244を発見 オーストラリア国立大学の研究
従来、プルトニウム244は初期の太陽系に存在していたことが、隕石中におけるプルトニウム244の自発核分裂起源Xeの検出によって間接的に証明されてはいたが、現在の太陽系では核分裂によってすべて消滅してしまっており、存在しえないと考えられてきた。
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ところがつい最近になり、海洋地殻でプルトニウム244が発見され、科学者たちは地球に存在している元素の起源について、再考を迫られる事態へと発展している。鉄よりも重い元素は恒星の超新星爆発によってもたらされるが、金、ウラン、プルトニウムなどのさらに重い元素は、中性子星どうしの合体といったような超新星爆発よりもさらに高いエネルギーを発生させるイベントが生じないと、生成されないとも考えられている。
少なくともプルトニウム244が生成されるようなビッグイベントは、太陽系誕生後に太陽系では起こっておらず、その起源は太陽系誕生以前の時代、つまり今から最低でも50億年以上前の時代に起きていたはずである。プルトニウム244の半減期は約8千万年であり、もしも太陽系誕生以前にそれが生成されていたとしても、現在ではほとんどが崩壊してしまっており、検出は不可能である。
ところが、そのように考えられてきた元素が地球上で見つかってしまったのだから、科学者たちの驚きは大きかったに違いない。この件については、オーストラリア国立大学が関連する情報を発表している。それによれば、今回地球上で発見されたプルトニウム244は、今から数百万年程度昔に宇宙のどこかで起こった超高エネルギーの発生を伴うイベントによってもたらされたのではないかという。
もしもこの時に宇宙のどこかで起きていたイベントが何であったのかを解明できれば、プルトニウム244の生成の具体的なメカニズムも理論的な裏付けが取れるはずである。このイベントを探るヒントは数百万年前に起きたということ、そのイベントによって生じた元素が地球にまでやってくるのに数百万年以内の時間しか要さなかったことなどだが、地球からさほど遠くないどこかの宇宙で起きたことだけは明らかである。
その範囲の宇宙空間で、超新星爆発や中性子星どうしの衝突の痕跡を調べればきっと手掛かりは見つかるだろう。それが明らかになる日を楽しみにして待ちたい。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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