11日の米国市場ダイジェスト:NYダウ473ドル安、高インフレや中東情勢を警戒

2021年5月12日 07:45

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記事提供元:フィスコ


*07:45JST 11日の米国市場ダイジェスト:NYダウ473ドル安、高インフレや中東情勢を警戒
■NY株式:NYダウ473ドル安、高インフレや中東情勢を警戒

米国株式市場は続落。ダウ平均は473.66ドル安の34269.16ドル、ナスダックは12.43ポイント安の13389.43で取引を終了した。アジア、欧州市場からの流れを継いで寄り付き後、下落した。サイバー攻撃により主要パイブラインの操業が停止されたことが響き、給油所ではガソリン不足が報告されており、価格の先高感がさらなるインフレ懸念につながった。さらに、中東の混乱が激化したため、売りが加速。しかし、引けにかけ、押し目からの買いにハイテク株が回復すると、ダウも下げ幅を縮小した。セクター別では、エネルギー、保険が大きく売られた一方、素材が買われた。

ソフトウェア開発会社のパランティア(PLTR)は第1四半期の収益43%増を発表したほか、第2四半期見通しが予想を上回ったため、上昇。オンラインゲーム開発のロブロックス(RBLX)は第1四半期の決算で収益や1日のアクティブユーザー数の前年比大幅増を発表し、上昇した。一方、電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は米中関係の悪化を受け、上海工場を拡張し世界的な輸出拠点にするための土地取得計画を凍結したとの報道が嫌気され、下落。

スポーツ中継やニュースなどをライブ配信するフボTV(FUBO)は引け後に発表された決算が予想を上回り、時間外取引で上昇している。

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■NY為替:ドル下げ渋り、インフレ進行の懸念残る

11日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円35銭まで下落後、108円69銭まで上昇し、108円62銭で引けた。イスラエルとパレスチナの対立激化を受けた地政学的リスクの上昇や、インフレ上昇懸念に株安に連れたリスク回避の円買いが優勢となった。その後、3月JOLT求人件数は過去最高を記録したことから、長期金利上昇に伴うドル買いが下値を支えた。

ユーロ・ドルは1.2182ドルまで上昇後、1.2145ドルまで下落して、引けた。ユーロ・円は131円79銭まで下落後、132円24銭まで反発。ポンド・ドルは1.4118ドルから1.4166ドルまで上昇した。17日からロックダウン緩和の第3段階入りするほか、新型コロナウイルスによる死者が昨年3月のパンデミック開始以来初めてゼロとなったことから、景気回復期待を受けたポンド買いに拍車がかかった。ドル・スイスは0.9004フランまで下落後、0.9039フランまで上昇した。

■NY原油:小幅高で65.28ドル、原油在庫は減少の可能性

NY原油先物6月限は、小幅高(NYMEX原油6月限終値:65.28 ↑0.36)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は、前営業日比+0.36ドルの65.28ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは63.68ドル−65.48ドル。株安を警戒してニューヨーク市場の序盤にかけて63.68ドルまで下落。ただ、原油在庫の減少予想を意識して65.48ドルまで戻しており、時間外取引では65ドル台前半でもみ合う状態が続いた。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 41.57ドル -0.48ドル(-1.14%)
モルガン・スタンレー(MS) 84.92ドル -1.55ドル(-1.79%)
ゴールドマン・サックス(GS)359.92ドル -8.76ドル(-2.38%)
インテル(INTC) 55.04ドル -0.93ドル(-1.66%)
アップル(AAPL) 125.91ドル -0.94ドル(-0.74%)
アルファベット(GOOG) 2308.76ドル -32.90ドル(-1.40%)
フェイスブック(FB) 306.53ドル +0.56ドル(+0.18%)
キャタピラー(CAT) 239.30ドル -3.31ドル(-1.36%)
アルコア(AA) 41.32ドル +0.28ドル(+0.68%)
ウォルマート(WMT) 139.55ドル -1.27ドル(-0.90%)《ST》

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