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岩石惑星誕生時の大気組成、隕石を高温加熱して推定 UCSCの研究
UCSCの研究で用いられた3つの隕石サンプル(画像: UCSCの発表資料より、M. Thompson提供)[写真拡大]
従来、惑星大気のモデルは、太陽に似た組成である水素とヘリウムが支配的であると仮定するのが、一般的であった。だがUCSC(カリフォルニア大学サンタクルーズ校)の研究者たちによれば、木星のような大型のガス惑星に対してはこの仮定は正しいが、地球のような岩石惑星に対しては、誤りかもしれないという。研究結果の論文は、ネイチャーアストロノミー誌に公表されている。
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研究グループは、地球に降り注ぐ隕石をサンプルとし、これを隕石衝突時に発生する高温を想定して加熱することにより、発生するガスの分析を試みた。岩石惑星の初期の大気は、微惑星同士の衝突による激しい加熱と、その後の惑星発達初期の火山活動による結果として、惑星の表面から放出されたガスから主に形成されると考えられるからだ。
岩石惑星が小さい場合には、発生したガスを引き留めておくだけの引力がないため、大気が形成されることはないが、大気を引き留めておくのに十分な大きさの岩石惑星であれば、この仮説は信憑性が高いと考えられている。
つまり、隕石を高温に加熱することで岩石惑星誕生初期の状態を実験室的にシミュレートをするため、様々な仮説を組み込んだ条件で、いろいろなチャレンジができるこの考えは非常に画期的といえるのかもしれない。
太陽系に浮遊している隕石は、地球などの岩石惑星が誕生した時の状態を保っていると考えられるため、隕石を加熱した際に発生したガスは、地球誕生直後の大気組成に非常によく似ているという考え方も成り立つ。ただし、情報の信頼性を高めていくためには、サンプルとなる隕石には偏りがあってはならず、できるだけ多くのサンプルで評価していく必要がある。
またこの手法は、宇宙に出向いてサンプルを採取してくることと比べれば、圧倒的に低コストで、太陽系外の岩石惑星について誕生初期の大気組成を推定することにも役立つだろうと、期待されている。
だが残念なことに、この手法を用いて現在のあらゆる岩石惑星の組成を知ることはできない。そのわけは地球誕生当時の大気組成と、現在の大気組成には大きな隔たりがあり、地球の進化のプロセスまで正しく理解しないと、46億年に及ぶ大気組成の変化の歴史を他の惑星に当てはめて推理することはかなわないからだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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