IBM、包括的IT用語への置き換えを推奨・非推奨とする用語リストを公開

2021年4月15日 08:37

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 IBMにおける包括的IT用語への置き換えに関する取り組みについて、IBMのDale Davis Jones氏がGitHubで公開している(IBM Inclusive IT LanguageThe Registerの記事)。

置き換えが推奨される用語に挙げられているのは「whitelist/blacklist」の「allowlist/blocklist」への置き換えや、性別を示さない「man」の「person」への置き換え、「master/slave」の置き換え(置き換え例は多数あるので略)といったよく見かけるものがほとんどだが、「Chinese wall」というあまり見かけないものも含まれる。Chinese wallが意味するのは、利害の衝突を生む可能性のある情報の交換を妨げる障壁とのことで、この意味での使用は時代遅れであるだけでなく、不適切な民族性への言及により文化的に無神経または侮辱的だと認識される可能性があるとのこと。置き換え先としては「ethical wall」「firewall」が挙げられている。

その一方で、置き換えが推奨されない用語もまとめられている。リストアップされているのは善悪を示さない「white」「black」の使用や、支配関係を示さない「master」の使用、肌の色を示さない「fair」「red」の使用といったものだ。「master/slave」の置き換え例の一つにも挙げられている「parent/child (親/子)」は従属関係を示すものではあるが、親の力は子供を守るためのものであり、通常は虐待に結び付けて考えられることはないため、用語としての使用は適切とのことだ。

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