コロナ関連の破たん1257件に 倒産の増勢強まる 東京商工リサーチ

2021年4月10日 16:03

印刷

 東京商工リサーチは9日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い経営破たんした国内事業者数が、1週間で26件増え、累計で1,257件(負債1,000万円以上)に達したと発表。4月は9日時点で60件が確認され、3カ月連続で過去最多を更新する勢いだ。

【こちらも】居酒屋の倒産件数、20年度は過去最高に バーやスナックもハイペース 東京商工リサーチ

 変異型ウイルスの拡大が止まらず、大阪等に続き東京や京都なども「まん延防止等重点措置」の適用が決定。倒産に加え、休廃業や解散などで事業継続を諦めるケースも目立つ中、ワクチンの普及と就労支援の強化が期待される。

 東京都は10日、都内で新たに確認されたコロナ感染者数が570人だったと発表。4日連続で500人を超え、10日連続で前の週の同じ曜日を上回った。9日までの1週間における1日当り平均は440人で、前週の381人や前々週の330人から増加。

 政府は9日、「まん延防止等重点措置」を東京、京都、沖縄に適用することを決めた。いずれも12日に適用が始まり、東京は5月11日まで、京都と沖縄は同5日までが対象期間。例えば東京では、23区のほか、武蔵野、立川、八王子、町田などを対象地域とする。対象地域の飲食店に対し、午後8時までの時短営業が再び要請される。

 先行して「まん延防止等重点措置」が適用された大阪、兵庫、宮城では繁華街における夜の人出が減少。大阪市における見回り隊の活動などで時短要請に応じる飲食店が増えたことによる。これまでのデータから、繁華街における夜間の人出を減らすことで、感染拡大防止に高い効果が期待できる。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間10日午前11時時点で1億3,450万人超、死者数は291万人を超えた。国別の最多は米国の3,108万人超、次いでブラジルが1,337万人、インドが1,306万人。以下、フランス500万人、ロシア457万人、イギリス438万人、トルコ374万人、イタリア373万人と続く。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、9日16:00時点で1,257件に達したと発表。このうち1,178件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。破たん企業が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで1万6,375人。

 東京商工リサーチが8日に発表した別の調査結果によれば、2020年年間の倒産件数は前年から17%減るなど、全体としては低水準だった。一方、宿泊業などコロナ感染拡大の影響を直接的に受けた業種では倒産件数が急増し、また、倒産件数に含まれない休業や廃業は増加傾向にある。東京や大阪などで時短要請が続く中、飲食業を中心に事業継続を諦める事業者の増加が懸念される。(記事:dailyst・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事