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2月の百貨店とSC売上、17カ月連続マイナスも減少幅は縮小
日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が2月度の売上高を発表し、新型コロナウイルスの影響などにより、前年同月比マイナスが続いているものの、どちらもマイナス幅が縮小したことが分かった。
【前月は】1月の百貨店とSC売上、16カ月連続マイナス 減少幅は拡大
■マイナス幅が1月から大きく縮小
23日、日本百貨店協会が2021年2月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)10.7%減の3,223億3,237万8,000円となり、17カ月連続でマイナスとなった。ただしマイナス幅が1月の29.7%減から大きく縮小している。
前年がうるう年だったために営業日数が1日減となったことに加えて、緊急事態宣言の延長で営業時間の短縮や外出自粛の影響が続いたことが要因となった。商品別では、美術・宝飾・貴金属が好調だったほか、「イエナカ消費」「巣ごもり需要」により、調理家電や食器などの家庭用品が堅調だった。またバレンタイン商戦では、店頭販売では商品の絞り込みや入場制限による厳しさがあったものの、オンライン販売が伸びたことと合わせて堅調に推移したという。
■美術・宝飾・貴金属と家電が好調
都市別、都市以外の地区別では全てでマイナスに。中でも仙台(前年同月比:13.9%減、以下同じ)、東京(13.5%減)、名古屋(13.9%減)、福岡(13.1%減)、四国(18.0%減)、九州(15.4%減)が2桁のマイナス幅。一方、神戸(3.0%減)、近畿(5.6%減)でマイナス幅が小さめだった。
商品別でプラスだったのは、美術・宝飾・貴金属(前年同月比:8.9%増、以下同じ)、家電(17.7%増)、その他家庭用品(1.5%増)の3つ。マイナス幅が大きかった商品では、紳士服・洋品(22.3%減)、化粧品(21.8%減)、菓子(16.4%減)、食堂・喫茶(31.0%減)、サービス(21.8%減)がある。
■ショッピングセンターもマイナス幅が縮小
同日、日本ショッピングセンター協会が2月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比13.4%減の3,727億9,568万9,000円となり、17カ月連続でマイナスとなった。ただし百貨店同様に、マイナス幅が1月の25.2%から11.8ポイント減少している。
新規コロナ陽性者数の減少に伴い来館者数が増加したことや、気温の上昇で春物商材の売上が回復したことがマイナス幅の縮小につながったという。業種別では、春物商材のアパレル、新料金プランを発表した携帯電話ショップなどが堅調。一方、前年にマスクなどの需要が急増した医薬品が、その反動により前年を下回った。
■テナント、キーテナントともにマイナス幅が縮小
売上のうち、テナントが前年同月比14.8%減の2,889億4,792万4,000円、キーテナントが同8.5%減の838億4,776万5,000円となり、どちらも全体同様に17カ月連続のマイナスとなったが、いずれもマイナス幅は1月(テナント:28.0%減、キーテナント:13.1%減)から縮小している。
都市別では多くの大都市が前年同月比で2桁のマイナスとなった。特に大阪市(前年同月比:29%減、以下同じ)、福岡市(30.5%減)が大きなマイナス。一方、神戸市のみが前年同月比7.8%減と1桁のマイナスに留まった。
その他の地域別では、北海道(13.1%減)、東北(13.6%減)、北陸(17.0%減)、九州・沖縄(10.4%減)が2桁のマイナス。関東(9.8%減)、中部(6.5%減)、近畿(5.3%減)、中国(9.4%減)、四国(6.9%減)で1桁のマイナスに留まっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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