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悪質EC業者に対する防波堤:消費者庁への期待
消費者庁のスタッフから苦笑い含みで、「ECや通販の広がりで仕事が増えている」と聞かされた。表示方法等に不適切なものがないか等々をチェックし、「是正勧告」を出したり「業務停止命令」を出したりする仕事が増えたというのだ。昨年12月のケースをHP等から幾つか引っ張り出してみた。
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★kanaelに対し、特定商取引法違反で6カ月間の業務停止命令を行った。同社はバストアップサプリなどを販売している。処分の対象となった「トゥルーアップ(バストアップサプリ)」のECサイトに、「定期購入の2回目以降の購入金額を表示していなかった」「定期購入者から解約通知がない限り、無期限の契約であることも明記されていなかった」。6カ月の業務停止命令の内容は、通販業務に関し「販売条件の広告」「売買契約の申込み」「売買契約の締結」を相成らんとした。
★美容機器の通販を展開するTBSグロウディアに対し、景品表示法違反に基づく再発防止などの措置命令を行った。BS放送のテレビショッピング番組「プレミアムカイモノラボ」で痩身用機器について使用前・使用後を比較した映像とともに、「下腹部マイナス8.5cm」などと表示していた。消費者庁は提出書類を合理的根拠と認めていなかった。ちなみに番組側も、「今回の措置命令を厳粛に受け止め、広告表示のチェック体制の強化や社員教育の徹底など再発防止に努める」とした。
★消費者庁は12月22日、「アフィリエイト広告を中心にネット広告に関し、大規模な実態調査を行う」と発表した。具体的には、「アフィリエイト広告が発注されてからWeb上に掲載されるまでの流れを、広告主や仲介業者、アフィリエイターなどのアンケート調査やヒアリング調査を3月末までに行い、結果次第で違法表示を含んだ広告が生まれやすい状況であることが分かった場合、何らかの注意喚起を実施することも視野に入れている」とした。
★消費者庁は新型コロナウイルスの抗体検査キットをECで販売する業者6社に対し、表示を改めることなどを求める行政指導を行った。「検査キットを使用することで、現在感染しているかどうかは判断できない」というのが、その理由。販売していたキットは、指先などに針を刺し血液を採取・滴下する「イムノクロマト法」の検査キット。「僅か15分!高精度・新型コロナウイルス判定」「10分で新型コロナウイルス感染の有無を目視で簡単に判定できる」といった表示がなされていたという。
どさくさにまみれて、人の弱みに付け込んでの商売はナンセンス。消費者庁には苦労も多いだろうが「健全なEC拡充」の為に、汗をかいて欲しい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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