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NASA、火星探査機InSightの地熱測定装置プローブ打ち込みを打ち切る
NASAは15日、2年近くにわたって難航していた火星探査機InSightの地熱測定装置Heat Flow and Physical Properties Package(HP3)のプローブ打ち込み作業打ち切りを発表した(NASAのニュース記事)。
「mole」と呼ばれるプローブは長さ約40cmの小型杭打ち装置とInSightをつなぐテザーにセンサーを組み込んだもので、地熱測定を行うには少なくともmoleが3mの深さまで掘り進む必要がある。moleの打ち込み作業は2019年2月から行われているが、InSightが想定外の硬い土壌に覆われた地点へ着陸したため作業は難航した。
NASAではロボットアームのスコップを用いたさまざまな手法で打ち込み作業の補助を試み、最終的にはスコップでmoleの上部キャップを叩く手法により、見えなくなる深さまで地中へ進めることに成功していた。1月9日(Sol 754)時点ではmoleの上端が地表から2~3cmの深さまで進んでおり、摩擦を強めるためmoleに土をかぶせてからスコップで500回打ち付けたそうだ。しかし、それ以上進んでいかなかったため、作業の打ち切りを決めることになった。
火星の地熱測定はできなくなってしまったが、表土よりも深く火星の地面を掘り進んだのはInSightが初めてであり、将来のミッションに役立つ重要な知見が得られたという。また、ロボットアームの目的外使用により、エンジニアはロボットアームの操作に関する貴重な経験をしたとのことだ。
なお、InSightのミッションは地熱測定だけでなく、地震測定や火星の内部構造に関するデータ収集なども行っており、NASAではミッションを2022年12月まで、2年間の延長を決めている。InSightが搭載する気象センサーは火星の詳細な気象データを収集可能で、火星探査車Curiosityと2月に火星へ到着するPerseveranceが搭載する気象センサーと合わせ、地球以外の惑星で初の気象観測ネットワークを構成することになる。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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