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■売上高は前年同期比0.6%減、純利益は同0.7%減
ユニクロ(UNIQLO)を運営するファーストリテイリング(9983)は14日大引け後、21年8月期第1四半期(20年9月~11月30日・IFRS基準)連結決算を発表。売上収益は前年同期比0.6%減の6198億円だったものの、営業利益は同23.3%増の1131億円、純利益は同0.7%減の704億円と、営業利益は大きく伸びた格好だ。
進捗率は、売上収益は28.2%、営業利益は46.2%、純利益は42.7%と良好で、進捗率ベースでは通期業績予想の上方修正の可能性を秘めている模様。尚、今回業績予想の変更はなかった。
■国内・中国が好調に推移し、販管費コントロールで営業増益に
コロナ禍の中でも業績は良好に推移した。特に国内とグレーターチャイナ(中国・台湾)のユニクロ事業は前年同期比で増収増益と好調。国内では巣篭もり需要によって部屋着やヒートテックシリーズの売れ行きが業績に寄与しており、デザイナー「ジル・サンダー」とのコラボ商品等、話題商品が好調だった。
また、海外では中国本土と台湾においてコートやフリース等の防寒衣料の売り上げが好調で、店舗運営効率の改善を図り粗利益率が改善。国内外共にECによる売り上げも伸びており、業績に寄与する要因となった。その他、ジーユー事業においてもTVCMを活用したトレンド商品の売り上げが良好で増収増益となった。
■業績予想の据え置きは保守的なスタンスのため?
コロナ禍においても新規店舗出店を進めているファストリ。新規出店・退店数を計算した期末店舗数は、前期末の2020年8月末に比べ51店舗も増加している。その内46店舗はユニクロ店舗で、44店舗は海外店舗となっている。1Qではオランダに初出店をしており、ユニクロ網を更に拡大していることがわかる。
減収要因は、中国を除いた他地域でコロナ禍による休業等が直撃したもので、概ね事業運営には問題ない状況であろう。しかし、現状の業績予想であれば十分に上方修正ができる内容だったものの、今回業績予想を据え置いた背景は何からくるものか。それはコロナ感染者増加に伴う緊急事態宣言等「外部要因」によるものだ。
ユニクロ・ジーユー事業は好調である一方、海外ブランドであるセオリー事業は減収減益と不調。高価格帯のアパレル事業にとってコロナ禍は向かい風になるため、手放しで好調であると言えないところが本音であろう。
世相を見ながらも地に足をつけたビジネスをしているからこそ、今回の上方修正を行わなかった点を考えると、慎重かつ冷静に事業運営を行っていると推測できるであろう。大きな変動がなければ2Q決算前の上方修正の可能性は十分に考えられそうだ。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)
関連キーワード中国、コラボレーション、ユニクロ、ファーストリテイリング
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