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飲食業界を追い詰めるのは新型コロナウイルスか?
菅首相は4日に行われた年頭の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大が続いているとして、東京都と近隣の3県への緊急事態宣言を、再度発令へ向けて検討することを明らかにした。この流れは2日に当該都県の知事が新規感染者の増加に歯止めをかけるために、西村経済再生相に同宣言の再発令を要請した時にスタートしていた。その後、7日に正式発令されることが決まった。
【こちらも】新型コロナに感染するとは、何を意味するのか? PCR検査の問題点は
新型コロナウイルスの感染者数は、連日マスコミがにぎにぎしく伝えている。前日と比較したり、1週間前と比較したりして、恐怖の難病が身辺に迫っているかのように伝えられるニュースに、”煽られている”と感じる人も少なくないだろう。
緊急事態宣言を再度発令する最大の理由は、新型コロナウイルスの感染者(正しくは”PCR検査陽性者”)の増勢にストップをかけることだ。ところが、肝心のPCR検査から導き出される検査結果の解釈に問題があるとすれば、飲食業界を始めとする多様な業種・業態や国民生活へ及ぼす過酷な結果は、取り返しのつかない災禍となる。
新型コロナウイルスのPCR検査には大きな疑問がある。
PCR検査は新型コロナウイルスの遺伝子配列を備えたRNA(リボ核酸)を、検出するための検査だから、陽性反応があったとしてもPCR検査陽性者であるに過ぎない。PCR検査陽性者は新型コロナウイルスの感染者であることを示唆するにしても、イコールであることを意味しない。
このことを端的に感じさせられるのは、感染しても無症状のまま終始する例が少なくないことだ。
風邪やインフルエンザ同様、新型コロナウイルスに感染した場合、人体に備わった免疫システムが起動して、ウイルスとの戦いが始まる。その結果、発熱やせき、倦怠感などが表面化して不調であることを感じ、何らかの疾病に罹患したことを自覚する。体内の免疫システムが健全であれば徐々に快方に向かうが、ウイルスが優勢な場合には症状が悪化して重症化する。
風邪やインフルエンザの場合、自覚症状もない段階で治療することがないのは当たり前だ。日本では当初、PCR検査体制が脆弱だったこともあって、自覚症状がある人を優先的に検査していた。マスコミは「PCR検査体制を拡充しろ!」と盛んに煽ったが、今度は逆に膨れ上がる感染者(PCR検査陽性者)数に怯える有様だ。
PCR検査は自覚症状が何もない人も、「感染者」扱いされるという意味で特異だ。
「新型コロナに感染するとは、何を意味するのか? PCR検査の問題点は」に記載した通り、カギはサンプルの増幅回数(Ct値=threshold cycle)にある。サンプル内に含まれたごく微量のRNAを検出し易くするために設定された日本のCt値が、過大なのではないのかという疑問だ。
国際的な基準がないから、各国から報告されるPCR検査陽性者(報道では新型コロナウイルス感染者)数を比較することにも意味がない。
マスコミで危機感を煽っている感染症の専門家諸氏が、この疑問に真剣に向き合わなければ、”専門バカ”のそしりは免れまい。
忘年会も新年会もなくなって、危機的な状況にある飲食業界は救われない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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