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2020年に行われたアメリカ大統領選挙は、12月14日の選挙人投票日を境にバイデン氏の勝利でコンセンサスが取れつつあるが、トランプ大統領は未だに大統領選挙の無効を訴え続けている。さらには、1月6日にアメリカ上下両院で行われる選挙人投票の結果承認において、共和党の一部の議員が選挙結果に異議を申し立てる予定もあるというのだ。
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もはや勝ち目が無いといえる状況下において、これらの動きを続ける理由は、4年後の次期大統領への出馬表明という狙いがあるからだ。不正選挙であったという世論を味方につけるためには敗北を認めるわけにはいかず、有権者に戦う姿勢を見せることで再度大統領の座に返り咲きを狙う。
共和党の議員が敗戦濃厚のトランプ大統領に同調するのは単純に、彼の圧倒的な人気をないがしろにできないからだ。世論調査によれば共和党内の約8~9割が未だにトランプ大統領支持者であるといわれており、7,400万票の獲得票や、選挙後に200億円以上の献金を集めたその人気は脅威である。
そして、そのような状況下で1月5日に行われるジョージア州の上院決選投票にはとりわけ注目が集まっており、投票日の1月5日を前にして期日前投票は既に280万人を超え、前回行われた決選投票を既に70万人上回っているという状況だ。
現在の上院議席数は民主党48議席に対して共和党50議席であるため、ジョージア州で行われる2議席の結果をもって、大統領選と上下両院が「トリプルブルー(大統領、上下院の過半数が民主党)」になる可能性がある。民主党が2議席を奪取すれば、議席は50ずつで両党ともに過半数には満たないが、採決が割れた際には副大統領に投票の権限が与えられるため、実質的には上院でも民主党が優勢となるのだ。
肝心のジョージア州の情勢についてはこれまで共和党がやや優勢であったが、トランプ大統領が積極的に選挙に関与することで共和党の候補者がリードを失い、両党が拮抗する事態になってしまった。人気の高いトランプ大統領の応援が裏目に出ているのは、バイデン氏の勝利を正式に認定した同州の州長官と知事への非難が理由だ。
ジョージア州は共和党の基盤であり、州長官も知事も共和党に所属しているが、トランプ大統領の意向を汲んだ結果、共和党の上院議員候補の両名も州長官と知事へ辞任要求をせざるを得ない状況となってしまった。トランプ大統領の発言が共和党内部の対立を生んでいるのだ。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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