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100円ショップ「セリア」が10期連続増配に大手をかけた背景
セリア。100円ショップ業界で第2位。順調な収益動向が続いている。前3月期の「6.4%増収、4.8%営業増益、4.8%最終増益、5円増配55円配」に対し今期は「3.6%増収、6.3%営業減益、6.4%最終減益、55円配」で立ち上がったが、10月30日に「7.8%増収(1957億円)、8.2%営業増益(190億5000万円)、8.1%最終増益(130億5000万円)、5円増配60円配」に上方修正した。
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コロナウイルス禍の影響を勘案し慎重な出港だったが、中間期の「前年同期比19.4%の営業増益」に見て取れるように結果的に危惧に終わった。改めて健在ぶりを示した。ちなみに10月30日時点の店舗数は、直営:1688+FC:46の1734店。
1985年に岐阜県大垣市で創業されている。今回セリアを記したいと考えた理由は、以下の4点に集約される。
★既存店売上高:小売業の状況を把握する指標。今期の上半期は前年同期比104.0%、10月:107.2%/11月:105.9%。過去数年間に遡って見ても、前年比を着実に上回っている。
★効率経営策への注力:2004年の段階で業界に先駆け、POSシステムを導入。06年にはPOSを活用し、発注支援システムを構築している。斯界の首位はダイソー。非上場ゆえに比較はできないが、業界3位:キャンドゥ(2698)と比べると前期の売上高営業利益率は9.0ポイント近く上回っている。また前期からセルフレジの実証実験(前期47店、今期61店/中間期末時点)を行い、更なる効率経営への歩みを進めている。
★100円ショップへの拘り:ダイソーやキャンドゥは300円ショップなど、業態の拡がりを図っている。対してセリアはあくまで「100円(税別)」路線を継続。そうした展開から取り扱う品数こそ相対的に絞り込まれているが、PB商品が多いのが特色(効率経営にもつながる)。そうした一方で東京・大阪に「サテライトオフィス」を設置。「今時、都に流行るもの」をマーケティングし、それをベースに協力メーカーとPB品を拡充している。
★連続増配:私は株式投資で資産を形成する方法として、「長期連続増配」企業に照準を合わせている。基本的には「10期以上連続の企業の押し目買い」が有効と捉えている。10期連続増配には、「安定した収益動向」「適宜な内部留保」「好財務体質」が不可欠だからである。セリアは実は今期「10期連続増配」予定を示している。言葉を選ばずに言えば、「たかが」100円ショップにはなしえない快挙と言える。
買い物権は家内が握っている。が、「100円ショップのウィンドウショッピング」はストレス解消になる。読者諸氏にも薦めたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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