14日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で反落、規制懸念で美団3.8%下落

2020年12月14日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 14日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で反落、規制懸念で美団3.8%下落
週明け14日の香港市場は値下がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比116.35ポイント(0.44%)安の26389.52ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が9.38ポイント(0.09%)安の10443.12ポイントとそろって反落した。売買代金は1433億700万香港ドルとなっている(11日は1359億1400万香港ドル)。


大型ネット株の下げが重し。ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が3.8%安、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.9%安、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.6%安で引けた。3銘柄の下落寄与度は158ポイントに達している。規制強化が警戒された。中国共産党は11日の中央政治局会議で、2021年の経済運営について議論し、「独占の禁止、資本の無秩序な拡大防止を強化する」との方針を確認している。具体的な業界に関する言及はなかったが、インターネット業界を念頭に置いたものとみられた。また、中国の国家市場監督管理総局は14日、独占禁止法の規定に違反したとして3社に罰金を科すと発表している。罰金の対象はアリババ、テンセント傘下の閲文集団(チャイナ・リテラチャー:772/HK)、深セン市豊巣網絡技術の3社。閲文集団も4.1%安と急落している。


買い手控えムードも漂う。中国ではあす15日、11月の小売売上高や鉱工業生産、1〜11月の都市部固定資産投資などが発表される。内容を見極めたいとするスタンスが強まった。(亜州リサーチ編集部)


上記したネット関連のほか、医薬品セクターもさえない。緑葉製薬集団(2186/HK)が4.7%、薬明生物技術(2269/HK)が4.1%、中国中薬(570/HK)が2.5%、康哲薬業HD(867/HK)が1.9%ずつ下落した。


半面、自動車セクターは高い。長城汽車(2333/HK)が8.1%、広州汽車集団(2238/HK)が5.1%、東風汽車集団(489/HK)が5.0%、比亜迪(BYD:1211/HK)が3.1%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.1%、吉利汽車HD(175/HK)が2.0%ずつ上昇した。東風汽車に関しては、本土上場計画の進展が刺激。同社は11日引け後、深セン「創業板」への重複上場計画について、深セン証取創業板上場委員会の審査を通過したと報告した。


中国不動産セクターの一角もしっかり。融創中国HD(1918/HK)が3.7%高、中国金茂HD(817/HK)が2.4%高、中国海外発展(688/HK)と世茂集団HD(813/HK)がそろって1.9%高、合景泰富地産HD(1813/HK)が1.4%高で引けた。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.66%高の3369.12ポイントで取引を終えた。消費関連株が高い。自動車株、ハイテク株、医薬品株、不動産株、銀行・保険株、防衛関連株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。素材株、運輸株、公益株、証券株も売られた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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