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不動産投資で注意したい移転リスクとは?
■移転リスクとは
不動産投資は入居が埋まるかという点が非常に重要であることは言うまでもない。しかし、これまで順調だった入居が、周辺施設の移転によって大きな影響を受ける場合がある。これが不動産投資における移転リスクだ。
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なお、主な周辺施設に該当するものは大学や企業である。多くの投資用不動産は単身者向けとなっており、学生や若い労働者が入居者となるからだ。
■青山学院大学の事例
有名な事例の1つに、2013年の青山学院大学文系学部移転が挙げられる。
当時、神奈川県相模原市の淵野辺駅から徒歩7分の距離にあった同大学の相模原キャンパスは、文系の1、2年生も通うキャンパスだった。しかし、2013年に文系学部はすべて東京都渋谷区の青山キャンパスに集約されることになる。その結果、相模原キャンパスに通う学生数が大きく減少し、キャンパス付近のワンルームマンションやアパートの空室が目立つようになった。
それに伴い、賃貸物件の家賃も大幅な下落につながり、同地域で不動産投資を行っているオーナーは今なお大打撃を受けている。
このように、1つの施設が移転することで不動産投資には大きな影響を与える場合も多い。今回の事例は青山学院大学の学生需要が高い地域で発生し、同大学向けの需要を想定していた不動産が大きな影響を受けた。大学に限らず、企業についても、その企業の従業員が多く住むエリアで移転問題が生じた場合、同様の影響が想定されるだろう。
■様々なタイプの入居者確保を
安定した不動産投資を行うためには、学生や単身労働者など、様々なタイプの入居者が確保しやすい地域を選定することが重要だ。
そうすることで、仮に大学や企業が移転した場合でも、不動産投資に及ぼす影響を可能な限り抑えることができる。
1つの施設に大きく依存した不動産投資は、その施設が移転した際のリスクが大きいのは先述の事例からも分かるだろう。移転問題は自身で対処できるものではないため、様々なタイプの入居者を確保できる地域であるかを見極めていきたい。(記事:大掛翔太・記事一覧を見る)
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