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中小企業の6割、新型コロナで経営が悪化 エヌエヌ生命調査
中小企業経営の実態調査において、6割もの経営者が新型コロナウイルス感染拡大の影響により経営状況が「悪化した」と回答したことが分かった。さらに、このうちの半数近くについて、来年3月までに業績が戻らなければ、会社規模や人員の存続ができないと答えた。コロナ禍による経済への打撃の大きさが表れる結果となった。
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エヌエヌ生命保険株式会社(東京都渋谷区)は26日、中小企業経営者を対象に行った経営実態調査の結果を発表、新型コロナウイルス感染症の影響で経営状況が「悪くなった」と回答した経営者は60.4%にも上ることが分かった。
調査は11月初めに、従業員300人以下の会社経営者、もしくは従業員がいる自営業の計7,220名を対象に行われた。同様の調査は、3月以降実施しており今回で5回目となる。
経営状態が悪化したと回答した人に、緊急事態宣言前後の具体的な変化について尋ねたところ、「会社の売上」(97.0%)が最も多く、次いで「製品や商品の売上・受注」(87.5%)となった。一方、「従業員数」は15.9%、「従業員の給与」は35.9%となり、いずれも減少した中小企業は少ない結果となった。
さらに、経営状況が悪化したと回答した人に、いつまでに業績が戻れば、現状の会社規模や人員を存続できるか質問したところ、26.2%が「2021年3月まで」、20.4%が「2021年1月まで」と回答した。つまり、およそ半数近くの中小企業が来年3月までに業績が戻らなければ、会社の現状維持ができないということになる。
また、旅行関連行の中小企業経営者59名対して、緊急事態宣言中と比べてGo Toトラベルにより顧客が増加したか質問したところ、35.6%が「増えた」と回答。一方、飲食店の中小企業経営者480名に対して、同様にGo Toイートにより顧客が増加したかという質問を行ったところ、「増えた」と回答したのは13.3%にとどまり、73.5%が「変わらない」と答えた。
厚生労働省によると、新型コロナウイルスの国内における累計感染者数は13万5000人を突破。重症者数も410人となり、感染拡大に歯止めがかからない状況だ。とはいえ、同じく厚生労働省が発表した雇用調整の可能性がある事業者数についても、11月20日までの累計で11万6,602事業所にも上っている。感染拡大の阻止と経済の立て直しは、いずれも喫緊の課題といえる。(記事:笠井ゆかり・記事一覧を見る)
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