コロナ関連の破たん646件に 10月は過去最多 東京商工リサーチ

2020年10月31日 13:16

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 東京商工リサーチは30日、新型コロナウイルス感染症が原因で破たんした国内事業者数が1週間で28件増え、累計646件に達したと発表。10月は30日時点で105件に達し、単月で最多を記録。Go Toキャンペーン等の実施が一部業種の回復を後押ししているものの、経営環境は引き続き厳しい。多くの企業では政府の資金繰り支援策の効果が切れようとしており、再び増勢に転じた破たん事業者数は今後加速する可能性がある。

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 東京都が30日に発表したところによれば、都内で確認されたコロナ感染者数は204人で、11日間続けて3桁となった。直近1週間における1日当たり平均は169人で、前週の158人から微増。10月初旬頃より欧州各国や米国の一部地域で感染者数が過去最多を記録する中、日本における新規感染者数は一定に抑えられている。一方、日本では首都圏を中心に会社員の出勤率が上昇しており、医療関係者などは、気温の低下による感染再拡大を懸念する。

 観光庁が30日に発表した宿泊旅行統計によれば、9月の延宿泊者数は2,555万人泊に達した。前年同月比では47.6%減だったが、前月のマイナス幅(58.6%)からは大きく改善。施設タイプ別の稼働率では旅館とリゾートホテルの前年同月比減少幅が小さくなっており、Go Toトラベルの効果が現れている。

 一方、一部IT企業などを除き幅広い業種で厳しい雇用環境が続く中、金融庁や全銀協は30日、個人・個人事業主の債務を減免・免除する特例措置を発表。対象となる債務はカードローン、事業者ローン、いわゆるゼロゼロ融資で、住宅ローンは対象外。コロナの影響で困窮する人の生活や事業の再建を支援する。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間31日午前10時時点で4,547万人超、死者数は118万人を超えた。国別の累計感染者数は、首位の米国が前週から約54万人増え903万人超に達し、2位のインドは約32万人増え累計808万となった。以下、ブラジル549万人、ロシア158万人、フランス137万人、スペイン118万人、アルゼンチン115万人、コロンビア105万人、イギリス99万人、メキシコ91万人が続く。日本の累計感染者数は10万人を超え、9万1千人を維持する中国との差は広がった。

 かかる状況下、東京商工リサーチは、新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が30日16:00時点で646件に達したと発表。このうち587件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。小規模事業者の多い飲食業の破たんが目立ち、アパレル関連や宿泊業が続く。破たん事業者の8割以上が従業員数20人以下の小規模事業者ながら、東京商工リサーチの別の調査によれば、早期・希望退職者募集を実施した上場企業が既に前期の2倍に達するなど、厳しい雇用環境が景気低迷の長期化を予想させる。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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