AI「ディープフェイク」初摘発! 無力な行政、被害減らず (2) 詐欺師逮捕に協力してみたが?

2020年10月21日 07:34

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 「ディープフェイク」が拡散している。初めての逮捕者が出たが、氷山の一角に過ぎないことはネットを見ていれば分かる。ネットの世界は「フェイクニュース」であふれ、正確な情報を見定めるのは誰にとっても困難だ。勢い、好きな情報ばかりを見ていることになり、誰もが正確な情報を掴めていないのかもしれない。AIは進歩し続け、ますます「フェイクニュース」、「ディープフェイク」は作りやすくなっていく。

【前回は】AI「ディープフェイク」初摘発! 無力な行政、被害減らず (1)「詐欺社会」を脱するには?

 年を取ると誰もが、「自分に不都合な話を聞きたがらない」が、若者にも広がっているようだ。そのため有効で必要な正論が軽視され、国民に被害をもたらしている場面がある。危ういことだが、それが真実だ。

 マスメディアの世界では「モラル」の規定があり、ある程度は規制がされている。しかしSNSでは、普段、目にすることが出来ない貴重な情報がある一方、とんでもない「フェイクニュース」が形式だけ整えて拡散している。SNSの普及でマスメディアを嫌い、「好き・嫌い」でネット情報の真偽を判断している人が、大多数となってきているのであろう。つまり「判断基準は、自分の好み」となってしまっている。詐欺師には絶好のターゲットだ。

 そこには、客観的真偽を意見交換することもなく、強引にそれぞれの主張を繰り返すだけの行為がある。そのため「議論」が成り立たない。アメリカ大統領選挙の論戦でも、現代の不毛で危険な「分断と差別」の世界に繋がってしまうことが見えてくる。「自由とは危ういものである」との自覚が欲しい。「賛成できない意見でも慎重に聞いてみる」、「日頃から客観性のある判断基準を勉強し理解しておく」など、「自由」には相当の努力が必要なのだ。

 NHKニュースでは毎日「私は騙されない」と警告案内を放送しているが、前出、nippon.comによると、
 ❝被害者は高齢者(65歳以上)の女性が多く、全体の65.0%に達する。特に親族を装ってだます「オレオレ詐欺」では84.3%を占めており、80歳前後に被害が多発している。❞

 となっており、老人や経験不足の人では詐欺師に太刀打ちできないことは明白だ。被害に遭っていても、表面化せずに泣き寝入りしている人もいると考えざるを得ない。詐欺師は騙せる人物と分かると、重ねて狙うものだ。警察に被害を訴えることも出来ない人が高齢被害者にはいるであろう。データによると、高齢女性の特質なのだろうか?「社会性の欠如」とも考えられる現象だ。

 昔から、1度騙された人を重ねて騙すため、門扉、門柱、玄関先などに、「印」を付けておくことが詐欺師の常道手段と言われている。「障害者支援団体」においても、弱みにつけ込んで詐欺的手法が使われている実態も見受けられる。

 また現在のネット社会では、あまりに詐欺メールが多い。それで警察に相談してみたら、「騙されないためには、ネットを使わないことですね」と言われてしまった。新しい政府の方針では『デジタル社会を目指す』としたが、どの様な対策が取られるのであろう。ネット社会に対応した社会常識をどの様に身に付けたらよいものか?と考えてしまう。

 その昔、筆者は知らずに、詐欺団のフロント企業のコンサルに入ってしまったことがある。後にその詐欺師の頭領格は7年の実刑を食らうことになるのだが、当時その男と話し合っていた時、筆者が「8割の人は騙されてしまう。その人たちにしっかりしてもらわねば」と話したら、「それならオレはその8割の人間と商売するから・・・」と詐欺を前提とした考えを堂々と述べ、「経済やくざになりたい」と目標を話していたのを思い出す。

 そして、筆者は詐欺をやめさせようとしたわけだが、当然「ケンカ」になった。そこで警察に証拠と証人を揃えて捜査協力して、逮捕、送検、実刑確定、組織解体までもっていったら、恨まれて残党に狙われた。それでも警察は保護してくれないし、その後、別の詐欺師の捜査を依頼しても、手柄にならない仕事は手を付けようとはしない。前述の事件では、詐欺師と暴力団の大物が同時に逮捕できるので警察は乗り出したが、頻発する末端のチンピラ相手では「手間暇かけられない」との姿勢が警察の本心のようにみえる。

 詐欺に対しては行政の「無策」が目立つ。つい最近の国勢調査でも、担当者から「身分証明書」を見せられたが、本物であるのかは分かるはずもない。警察バッチですら「本物か?おもちゃか?」区別がつかないのだ。「ディープフェイク」のようなAIの技術を使わなくても、身分証明書など偽造できてしまう。まして1度も見たこともない身分証明書を見せられても判断できるはずもない。

 時折、行政の身分証明書を持った人物と接触しなければならない時、行政に問い合わせをするのだが、窓口の行政の担当者に「ネットを日頃見ていない」と言われてしまう。行政の窓口レベルでは「危機感」が皆無に近いのだ。むしろ行政側では「自分たちは正当な職員であり、詐欺師を見抜くのは国民の責任だ」と言っているようにさえ聞こえる。つまり「国民目線で判別しやすいようにする意識」が欠落しているのだ。

 「ディープフェイク」対策を実施できるようにするには、どうやら行政自体の「意識」を、国民目線で「詐欺社会」、AIも含めたデジタル社会に合わせるのが先決のようだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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