生きがいのある人生が心筋梗塞などのリスクを抑制か 順天堂大の研究

2020年8月23日 08:26

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ユーダイモニア・ウェルビーイングが高い男性は、大動脈脈波伝播速度(PWV)の値が低い傾向(赤矢印)があった。(画像:順天堂大学の報道発表資料より)

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 順天堂大学は20日、高齢男性は人生に意味や目的を感じることで、動脈硬化の抑制につながることが明らかになったと発表した。

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 イギリス・ロンドンで働く公務員を対象とした大規模で長期的な縦断研究(ホワイトホールII研究)から得られたデータを分析することで、明らかとなった。なお、縦断研究とは同一の対象者を長期にわたり継続的に調査する研究をいう。

■心理的ウェルビーイングとは?

 心理的ウェルビーイングとは、ポジティブな心理状態をいい、「快楽」を感じる状態と、「人生における意味・目的」を感じる状態の2つの要素からなる。

 快楽を感じる状態とは、例えば、美味しい食事をして幸せを感じる等の5感を通じて心地よさや喜びを感じる状態をいう。

 これに対して、人生における意味・目的を感じる状態とは、例えば、大きな目標に向かって、日々、努力し、楽しいことばかりではなく、困難もあるけれども、幸せを感じる等人間の潜在能力が十分に発揮されている状態をいう。

 しかし、これまで心理的ウェルビーイングと循環器疾患のリスクとの関係については、ほとんど研究されておらず、よく解っていなかった。

 そこで研究グループは、ホワイトホールII研究のデータを使い、心理的ウェルビーイングと動脈硬化との関係を調べた。

■人生における意味・目的を感じる高齢男性は動脈硬化が抑制される

 研究グループは、ホワイトホールII研究のデータを使い、2007~09年と2012~13年の2時点において、合計4754名(平均年齢65.3歳、男性:3466名、女性:1288名)のデータを分析した。

 すると、人生における意味・目的を感じる状態のレベルが高い男性は、そうでない男性に比べて、動脈硬化が抑制されていることが判明。またこの傾向は、5年後も維持されていた。

 ただし、女性では人生における意味・目的を感じる状態のレベルと動脈硬化の間に関係は認められなかった。また男女共に、快楽を感じる状態のレベルと動脈硬化の間には、関係は認められなかったという。

 現在、超高齢化社会を迎えた我が国においては、脳血管疾患、心血管疾患を含む循環器疾患は、死亡原因の第1位であると共に、医療費でも第1位を占めている。

 研究グループでは、我が国においても、高齢男性について、人生における意味・目的を感じる状態のレベルをアップしていくことが循環器疾患対策として必要であり、今後、日本人の高齢男性における心理的ウェルビーイングと循環器疾患の関係について、研究を進めていきたいとしている。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る

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