関連記事
日立、スペイン向け高速鉄道車両を受注 ボンバルディアとの共同
納入する車両のイメージ。(写真:日立製作所の発表資料より)[写真拡大]
日立製作所は12日、カナダのボンバルディア・トランスポーテーション社(ボンバルディア)と共同で、イタリアのトレニタリア社から高速鉄道車両「フレッチャロッサ1000」23編成を受注したと発表した。新車両は、2022年にスペインで運行を開始する予定。受注総額は約8億ユーロ(約998億円)で、そのうちのおよそ6割が日立の取り分となる。契約の締結はイタリアで10日に発表されている。
【こちらも】日立製作所、通期は減収減益 新型コロナウイルスの影響および上場子会社の業績低迷が主因
「フレッチャロッサ1000」は、現在ヨーロッパで運行する高速鉄道の中でも最高水準の速度を誇りながら、騒音も軽減しており、高い性能が評価されている。全長およそ200メートルの編成に460人の乗客を収容可能で、最高速度は時速約360キロ。2015年にイタリアで導入されて以来、快適でエネルギー効率も高いことから長距離移動者にも人気だ。
今回受注となった新車両は、日立レール社とボンバルディアの共同により、イタリア国内で設計、製造される。新車両を運行するのは、両社が契約を受注したイタリアの鉄道運営会社トレニタリア社と、スペインの鉄道会社の合弁会社であるIntermodalidad de Levante社(ILSA)。スペイン国内で運行され、運行区間はマドリード‐バルセロナ間、マドリード‐バレンシア/アリカンテ間およびマドリード‐セビリア/マラガ間の3区間が計画されている。
日立の鉄道事業に関しては、国外からも高い技術力が評価されており、2005年には日本の鉄道車両メーカーとして初めて鉄道発祥の地イギリスでの車両製造に参入した。大量輸送に優れ環境負荷を抑えることが可能な鉄道の利用は近年、自然環境への意識が高まるヨーロッパなどを中心として見直されてきている。一般の消費者からの関心も高く、日立は今後もヨーロッパ域内での事業の拡大を目指しており、今回の契約はその一環となる。
日立の鉄道ビジネスユニットCEOであるアンドリュー・バー氏は、スペイン向けの鉄道車両の受注について、「スペインの高速鉄道サービス発展に貢献できることを期待している」とコメントしている。(記事:万嶋せら・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
スポンサードリンク
- サクサHD、ボタン電話装置設計製造技術と商流に強み 優位性を活かし、SMBに向けたネットワークセキュリティ装置を展開 3/16 11:01
- NEC・第一交通・電脳交通、自動運転で業務提携 地方展開を想定 3/14 19:41
- テラプローブ、通期は売上高・営業利益・経常利益で過去最高 車載向け、サーバー用CPU・GPUが好調に推移 2/29 16:13
- 電機大手3社の4-12月期決算 2/26 08:56
- JVCケンウッド、売上収益増により事業利益は前年比+42.8%と大幅増益 4Qも無線システムの堅調な需要を見込む 2/ 9 09:09