ブラジル、さらる利下げ余地はあるか?

2020年8月8日 07:56

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●過去最低の2.00%に利下げ

 ブラジル中央銀行は5日に政策金利を0.25%引き下げて、過去最低の2.0%にすると発表した。かつては、トルコリラと並び高金利通貨として人気だったブラジルレアルも下落が止まらない。

 ブラジルの経済成長率も過去最低を記録する見通しで、新型コロナウイルスの感染拡大は経済の面でも大きな被害を受けている。

●高金利の代表国

 ブラジルの通貨レアルや債券は、トルコと並び高利回り通貨・債券として人気があった。しかし、利回りが高い国は、対外借金への依存度が大きく、信用度が低いため、コロナショックのようなことがあれば、大きく下落する諸刃の剣となる側面もある。

 かつては1レアル=50円を超えており、利回りも高かった。現在は1レアル=20円を切る水準となっている。

 ブラジルは資源国でもあり、鉄鉱石や石炭を輸出して外貨を稼ぎ、世界5位となる2億人の人口が内需を成長させてきた。その間、バラマキ型の社会福祉を推進し、資源依存型の経済となっていた。

 その反動で、2015年に資源が下落すると、ブラジルの信用不安が高まり、通貨は下落し国債の利回りは急上昇。ブラジル危機が起こった。

●コロナ禍でさらなる対策が必要か?

 ブラジルは新型コロナウイルス感染拡大の中心地のひとつとなっていた。感染者数も死亡者数も米国に次いで2位となっている。

 政府はすでに感染者の約7割が回復したとの見解を示しているが、まだ回復者よりも感染者の方が多くなっている。

 製造業は回復傾向にあるが、サービス業の回復が遅れており、内需中心のブラジル経済にとっては先行きは明るくない。

 利下げはコロナ禍以前から行われており、2019年6月の6.5%から9回連続の値下げとなる。政府公式予測の2020年のGDP成長率はマイナス4.7%となっており、政策担当者はさらなる追加利下げも排除しない姿勢を示している。

 しかし、強力な金融刺激策が必要という認識はありながらも、財政の健全性と金融の安定性とのバランスを考えれば、利下げ余地も小規模にならざるを得ないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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